神々の塔
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第七十一話 龍神その五
「それで影響もね」
「受けてもな」
「お互いの存在すらね」
「知らんかったかもな」
「そうかも知れへん位」
そこまでというのだ。
「離れてるし」
「アステカとインカ同時代やったね」
こう言ったのは綾乃だった。
「そやったね」
「ええ、そうだったわ」
「それでもやね」
「距離がね」
これがというのだ。
「メキシコとペルーで」
「ほんま離れてるね」
「そやからね」
だからだというのだ。
「お互いの存在を知ってたかも」
「どうかやね」
「知ってても勢力圏が触れ合ってないから」
だからだったというのだ。
「交流はね」
「ほぼなかったね」
「そうだったと思うわ」
「中南米といっても」
「ほんま広いのよ」
そうだというのだ。
「大陸よ」
「一つの」
「メキシコは北米大陸にあって」
そうであってというのだ。
「インカは南米大陸でしょ」
「パナマ運河を挟んで」
「当時はなかったけどね」
パナマ運河はとだ、アレンカールはこのことを言うことも忘れなかった。そのうえでさらに話すのだった。
「けどあそこを挟んでね」
「別れてて」
「起きた世界の今じゃ同じ様に思われてるけど」
「やっぱりちゃうね」
「同じに思われるのは」
その理由も話した。
「スペイン語喋ってるからよ」
「メキシコから南は」
「あたいの国ブラジルはちゃうけどね」
「ポルトガル語やね」
「ポルトガル領やったからね」
それが為にというのだ。
「それでよ」
「ブラジルだけポルトガル語やね」
「けど」
それでもというのだ。
「他の国はスペイン語で」
「同じ様に思われてるね」
「宗教もカトリックで」
このことはブラジルも同じである。
「人種もね」
「混血してて」
「似てるけど」
それでもというのだ。
「昔はちゃうかったのよ」
「アステカやインカの頃は」
「それでよ」
その為にというのだ。
「色々ちゃう点が多かったのよ」
「アステカとインカは」
「マヤもね」
この国もというのだ。
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