夢幻水滸伝
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第三百五十四話 リオ=グランデ川からその三
「お仕事ですが」
「どんなもので」
「この港の顔役になってくれませんか」
「仕切れと」
「そうです、ああしたことがまた起これば」
「対処に困るさかい」
「オコナー様の様な方がおられないと」
さもないと、というのだ。
「それに賊もです」
「川賊やな」
「今リオ=グランデ川は彼等の存在もあり」
「厄介なことになってるか」
「治安が悪化しています」
「この州の中央を流れるリオ=グランデ川がそうやと」
「支流は州全体に及んでいます」
「それやとな」
「はい、川の治安が悪く」
多くの川賊が出てというのだ。
「獣やモンスターもとなりますと」
「州全体が困るな」
「今はそうした状況ですので」
「あちきは港の顔役になって」
「この港は今仕切る人もいませんし」
「それもしつつ」
「はい、そしてです」
それと共にというのだ。
「港を守ってくれますか」
「それやとな」
ここまで話を聞いてだ、オコナーは社長に言った。
「この港だけやないやろ」
「と、いいますと」
「もう川全体をな」
リオ=グランデ川をというのだ。
「何とかせんとな」
「源流をですか」
「そや、川全体が問題になってるんやな」
「はい」
その通りだとだ、社長は答えた。
「今お話させて頂いた通りに」
「それやとな」
「オコナー様としては」
「この港だけやなくてな」
「リオ=グランデ川自体をですか」
「川賊を成敗してや」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「獣やモンスターを倒して」
「治安をよおすべきやと思う」
「そこまでお考えとは」
「どやろか」
社長に自分の考えの是非を問うた。
「そうしたら」
「素晴らしいです、どうも私はこの街の港だけを考え」
「それでか」
「視野が狭くなっていました」
自省を込めて言った。
「反省しています」
「そうなんか」
「はい、では」
「そうしてええな」
「お願いします、ただ州全体となりますと」
「ああ、リオ=グランデ川全体となるとな」
ニューメキシコ州を流れるというのだ。
「そうなるとな」
「非常に広範囲なので」
「あちき一人やとな」
「とてもです」
「ことを為せんな」
「はい」
そうだというのだ。
「そうですが」
「あちき一人やないで」
笑ってだ、オコナーは社長に答えた。
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