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神々の塔

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第七十話 妖精王その十二

「人はそれだけで違うよ」
「希望ですか」
「希望は何にも勝る」 
 ドリトル先生は微笑んで話した。
「あらゆる災厄にね」
「パンドラの箱にあった」
「そうだよ、あの箱にはね」 
 中里にまさにという口調で話すのだった。
「あらゆる災厄があったけれど」
「最後に希望がありましたね」
「どちらが強いか」
 この世のあらゆる災厄と希望がというのだ。
「果たして」
「言うまでもないですね」
「そう、希望の方がね」
「強いですね」
「そもそも災厄は最初からあったかもね」
 パンドラの箱にあったそれ等はというのだ。
「けれど神々がね」
「その災厄に対する為に」
「希望を送ったんぢゃお」
「人間に」
「そうかもね、何故災厄は最初からあったと思うか」
 ドリトル先生は中里に話した。
「それはね」
「どうしてでしょうか」
「ギリシア神話では最初から戦いや争いが多いからね」
「代替わりとかで」
「それでだよ」
「戦いの中で災厄もある」
「そうじゃないかと思うから」
「災厄は最初からあった」
「不和や対立は災厄だね」 
 戦いの原因になったそうした感情はというのだ。
「そうだね」
「はい」  
 中里は一言で答えた。
「そう言われますと」
「その災厄に対する為に」
「神々は希望を人に贈った」
「そうかもね、そうした風に考えると」
「希望はですね」
「あらゆる災厄よりも強いから」
 そうしたものだからだというのだ。
「その希望を持ってね」
「進んでいくことですね」
「そうしていってね」
 こうした話もしてだった。
 一行はさらに進んだ、クイズでの試練も乗り越えさらに先に先にと階を一階ずつ進んでいくのだった。


第七十話   完


                  2024・4・15 
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