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ハッピークローバー

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第百三十二話 餓鬼にならないならその五

「結婚している間はね」
「奥さんが作ってたのよね」
「奥さんが働いて」
 そうしてというのだ。
「お料理も作ってくれて」
「感謝しなかったのね」
「お料理に甘いだの辛いだの」
「文句ばかり言ってて」
「しかも偉そうにね」
「言ってたのね」
「お料理以外のことも」
 理虹に首を傾げさせつつ言った。
「そうだったらしいし」
「いや、お料理位作ったら?」
 一華はかな恵の話を聞いて言った。
「主夫さんだっているし」
「世の中にはね」
「それも一つの生き方だから」
 それ故にというのだ。
「お仕事してないなら」
「主夫ね」
「それで奥さんと一緒に食べる」
「そうしたらいいわね」
「というか働かないなら」
 それならというのだ。
「お家で何してたのか」
「ただいるだけ?」
「完全に紐じゃない、ニートと言ってもいいでしょ」
「結婚してね」
「それで本当に何処が偉いのか」
「学歴も特技もないし」
「そんなのだと餓鬼にもなるでしょ、というか誰が助けても」
 そうしてもというのだ。
「感謝しないのよね」
「逆に変な文句言ってたのよね」
「天理教にだって」
「教会の仕組みがどうとかってね」
「そんなの本当にどうでもいいし。というか」
 一華はさらに言った。
「お世話になっているところの文句言ってたのね」
「感謝しないでね」
「よくそんなの周りというか親御さん言わせたわね」
「だから甘やかしてるから」
 その為にというのだ。
「言わなかったみたいよ、親戚の人に殴ってやろうかって言っても」
「怒らなかったの」
「自分の身体を壊してる叔父さんにちょっと言われて」
 それだけのことでというのだ。
「怒ってね」
「そんなこと言って」
「ある時は掴みかかったらしいし」
「暴力でしょ」
「そうしたこともあったらしいし」
「いや、もうそんな人誰からもね」
 それこそとだ、一華は言った。
「忌み嫌われるでしょ」
「だからもう誰からも見捨てられて」
「今行方不明ね」
「死んでいても」
 そうであってもというのだ。
「誰もそうか、でね」
「終わる様な人ね」
「そうみたいだしね」
「そうなりたくないっていうのは」
 一華は心から言った。
「私も思うわ」
「そうよね」
「だから努力しないと」
「人は駄目よね」
「そんな人生絶対に送りたくないから」
「何があってもね」
「この人が幸せか」
 果たしてというのだ。 
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