| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百三十二話 餓鬼にならないならその三

「浅ましくてね」
「何も持ってなくてしてこなくて」
「何が偉いのか」
「それもこの世で一番ね」
「さっぱりわからないわ」
「そうなったら本当に終わりね」
 理虹はつくづくといった口調でだ、苦々しい顔で言った。
「人として」
「餓鬼そのものよね」
「人の最底辺の壁があって」
 それを床それもかなり分厚いものと感じながらかな恵に話した。
「それをぶち抜いてね」
「さらに下に堕ちたら」
「餓鬼になってね」 
 今五人で話している存在にというのだ。
「もう滅多なことじゃ這い上がれないのかもね」
「というか餓鬼になるまで酷いと」
「最初から這い上がれないのね」
「だって階段上がるにもそれだけの足腰が必要じゃない」
 下半身にそれだけの力が必要だというのだ。
「そうでしょ」
「ええ、足が悪いと」
 理虹も確かにと頷いた。
「もうね」
「階段、上り坂でもね」
「上がれないわね」
「身体もそうで」
「心もなのね」
「身体は障害あったら仕方ないけれど」
 そうであるがというのだ。
「精神的なレベルがね」
「どうしようもないまで低いと」
「そもそも餓鬼にまでならなくて」
 そうであってというのだ。
「それで餓鬼道からね」
「出られないのね」
「上がることなんてね」
 それこそというのだ。
「出来ないのかもね」
「そうなのね」
「滅多なことだとね。ゼロはゼロだし」
 かな恵はこうも言った。
「ゼロは何をしてもね」
「ゼロね」
「そこからはね」
 到底というのだ。
「上がれないんじゃない?だから今私達がお話している人は」
「餓鬼になるべくしてなって」
「もうね」
「餓鬼として生きていくのね」
「そうじゃない?死んでもね」
「餓鬼道に堕ちるだけね」
「そうでしょ、何の努力もしてなくて」
 人としてのそれをというのだ。
「人が何しても感謝も反省もしないなら」
「よくなる筈がないわね」
「そうでしょ、だからね」
 それでというのだ。
「私達はそんな人を反面教師にして」
「生きていくことね」
「流石に普通に生きてたらならないと思うけれど」
「餓鬼にはならないわね」
「けれどね」
 それでもというのだ。
「気を付けないと最悪犯罪者になるか」
「その人みたいになるわね」
「そうなってね、幸せになんか」
「なれないわね」
「餓鬼が幸せかどうかなんて」
 常に餓えと渇きそれに寄生虫に悩まされていてというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧