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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝

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第46話 ハムの人

鈴々を麗羽の配下に加えた私達は彼女の故郷を起つことにしました。

常山郡に向かう予定でしたが、麗羽の要望で別の場所に向かっています。

ここから2日位の距離です。

そこには麗羽の旧知の知り合いがいるそうです。

今いる地は啄郡で、向かう場所は啄県なので十中八九原作キャラです。

今頃ここにいるのは劉備か公孫賛だと思います。

麗羽の知り合いなので公孫賛でしょう。

「麗羽、知り合いは公孫賛かい?」

「そうですわ。正宗、よくご存知でしたわね。白蓮さんは盧植先生のもとで勉強しているそうですの。せっかく近くまで来たのですから、久しぶりに旧交を暖めるのも良いかなと思いましたの」

麗羽は機嫌良く応えた。

原作の公孫賛は好きなキャラでした。

器用貧乏な彼女は私の副官に欲しいと思っています。

すぐには無理でしょうね。

気がかりなのは麗羽と戦をして死なないかということです。

私がいうのは何ですが、今の麗羽は馬鹿ではないです。

人の苦言にも耳を貸すことができる心も持っています。

この旅で麗羽陣営の武官の層を厚くするつもりです。

いずれは猫耳軍師が参画し、沮授・田豊については探して登用させるつもりです。

許攸は危険因子なので排除しておきます。

「正宗様、白蓮さんのことで心配なことでもありますの?」

麗羽は心配そうな表情で俺の顔を伺っていた。

「心配しなくてもいいよ。公孫賛とは関係ないよ。麗羽の陣営をどう補強しようか考えていたんだ」

「そうでしたの。よかったですわ。てっきり白蓮さんに何か問題があるかと思いましたわ」

公孫賛が麗羽を害すというより、逆を心配しただけだと言いたかったがやめることにした。

俺の手で既に歴史を改編しているので、この先の歴史が俺の知る通りになるか分からないと思いました。

それに俺は史実通り揚州牧に収まることは止めることにしました。

麗羽に反対されたこともありますが、一カ所に集まっていた方が利は大きいと思ったからです。

私は麗羽と揚羽と話し合った末、青州牧の座を狙うことにしました。

麗羽は史実通り冀州牧の座を狙います。

エン州牧は姉上、三州が組めば群雄割拠の時代、必ず私達が有利になります。

未だ絵に描いた餅ですが、必ず実現してみせます。

「お兄ちゃん、鈴々はお腹が減ったのだ」

鈴々の腹の虫が泣いているようです。

鈴々は馬ではなく豚に乗っています。

この豚は本当に豚なんですか?

異常に足が早いです。

あんな短足で何故馬に追いついてるのか疑問です。

ファンタジーの世界では何でもありです。

気にしては負けです。

「そうだな・・・・・・。もうそろそろ昼だな」

私が空を見ると日は真上に上がっていました。

「鈴々、分かった。みんなここで休憩をとろう」

私は馬を止め後ろ振り向き、麗羽達に伝えました。

「やったのだ―――!」

鈴々は喜んでいます。

私達は休憩をとることにしました。





私達はあの休憩後、野宿をしながら啄県に入ると盧植の私塾を探しました。

盧植はここでは名士のようです。

難なく盧植の私塾は見つかりました。

「ここに白蓮さんがいますのね」

麗羽は馬を降り私塾の中に入って行こうとしています。

「馬の番を誰か頼めるか?」

「私にお任せください」

凪が私の前に進みでて心良く引き受けてくれました。

「正宗様、別にええよ」

「お任せなの―――」

真桜と沙和も引き受けてくれました。

私は揚羽と一緒に麗羽の後を追いました。

私塾の中に入ると麗羽が赤髪のポニーテールの女の子と何か話していました。

「正宗様、こちらですわ!」

麗羽は私に気づくとこちらを向いて手を振りました。





「貴殿が劉ヨウ殿ですか?」

ハムの人こと公孫賛が私を見て緊張した面持ちで私に話かけてきました。

「はい、あなたが公孫賛殿ですね。麗羽からは聞き及んでいます」

「白蓮さん、劉ヨウ様は私の許嫁ですの。そして、彼女は司馬懿さんといいます。司馬家の次女ですわ。そして私同様に劉ヨウ様の許嫁ですわ」

麗羽は胸を張って自慢げに私達を紹介しました。

「はじめまして、司馬懿殿。公孫賛といいます」

「はじめまして、公孫賛殿。司馬懿と申します」

公孫賛は私との挨拶とは違い、揚羽には普通に話しかけました。

私の時はなんで緊張したんでしょう。

男だからでしょうか?

確かに原作でも公孫賛はウブな感じがしました。

私も同様なので人のことは言えません。

「あ、あのよろしければ私の家に来ませんか?」

公孫賛が私達を家に招待してくれました。

でも、私の連れは多いので大丈夫でしょうか?

「それはいいですわね。白蓮さんは気が利きますわね。オ―――ホホホホ」

麗羽は白蓮の申し出を快く受けました。

久しぶりに麗羽の高笑いを聞いた気がします。

それだけ麗羽は白蓮に会えたのが嬉しいのでしょう。

「公孫賛殿、私の連れは多いのだが迷惑ではないか?」

「人数はどのくらいですか?」

「この場の3人に加え、後4人いるんだが・・・・・・」

私は申しわけなさそうに公孫賛に伝えました。

「大丈夫です。問題ありません」

公孫賛は笑顔で応えました。

やっぱり公孫賛は善人です。

嫌な顔一つせず7人の大所帯を招待してくれました。

「そうか。できれば何か摘める物を買いたいのだがおすすめの店はないかい」

私は公孫賛にあまり迷惑をかけたくなかったので、公孫賛の家に行く途中で買い出しをすることにしました。

私のところには食べ盛りが多いからな・・・・・・。

「お心使い感謝します」

公孫賛は苦笑いをしながら私にお礼をいいました。

「気にしないでくれ」

私が笑顔で言うと公孫賛は頬を染めて視線を反らしました。

「白蓮さん、早く行きますわよ。みんなを待たせるのは悪いですわ」

麗羽は私塾の入り口に既に向かっています。

「あ、あの麗羽はどうしたのですか?他人のことを気にするなんて・・・・・・。何か人が変わったように感じます・・・・・・」

「麗羽も成長したからね」

私は揚羽と公孫賛を促し、麗羽を追いかけました。 
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