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カルボナーラへのこだわり

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第二章

「スパゲティはな」
「カルボナーラね」
「そうだよ、これだよ」
 そのカルボナーラを食べつつ言った。
「何と言ってもな」
「そうなのね、しかしね」
 ここで妻は夫に尋ねた。
「何でもまたそんなにカルボナーラ好きなのよ」
「俺の好きなものが全部揃ってるからだよ」
 妻に笑顔で答えた。
「麺、パスタにな」
「あなたおうどんやラーメンも好きだしね」
「焼きそばだってな、それでな」
 緬即ちパスタが好きでというのだ。
「生クリームもベーコンもな」
「好きね」
「それで卵だってな」
「好きね」
 妻として長年一緒なのでよくわかっていた。
「確かに」
「胡椒だってな」
「それも黒胡椒が一番好きね」
「それでな」
 その為にというのだ。
「それが全部揃ってるからな」
「カルボナーラ好きなのね」
「そうだよ、全部合わさって最高に濃い味になってな」
 妻に笑顔で話した。
「腹にたまる系でワインにも合うからな」
「あなたお酒はワイン派だしね」
「余計にいいんだよ、まさに俺の好きな要素がな」
「詰まったお料理ね」
「だからな」
 それでというのだ。
「本当にな」
「好きなのね」
「ああ、だからこれからもな」
「食べていくのね」
「そうするな」
 こう言ってだった。
 白石はこの日は休日なのでワインを出してカルボナーラと一緒に楽しんだ、そうして彼は言うのだった。
「カルボナーラさえあれば幸せで俺はこれからもな」
「カルボナーラ食べていきますね」
「そうしていきますね」
「ああ、そうしていくよ」
 会社で部下達に笑顔で言ってだった。
 スパゲティはカルボナーラで通した、そして常にその味を楽しんで生きていったのだった。彼は人生は幸せだといつも言った。


カルボナーラへのこだわり   完


                   2024・6・23 
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