オズのエマおばさん
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第十一幕その五
「ジェラートも楽しんでね」
「ええ、けれどね」
おばさんはここで遠慮深そうな口調と表情になりました、そのうえでドロシーに対してこうしたことを言いました。
「ここまでしてもらうなんてね」
「前の漁港の時といいね」
おじさんもドロシーに言いました。
「悪いよ」
「ええ、ドロシーにね」
「そして他の人達からね」
「おばさんもおじさんもいい人達で」
ドロシーは困っている風にも見えるお二人に笑顔で言いました。
「私の家族だから」
「それでなの」
「ここまでしてくれるんだね」
「そうよ」
まさにというのです。
「だからね」
「遠慮は無用なの」
「そうなんだね」
「そうよ」
ドロシーはトリュフを食べつつ言いました。
「むしろ私の方がね」
「私達が遠慮したり恐縮したら」
「困るんだね」
「そうなるから」
それでというのです。
「そうしたことはね」
「しないことね」
「そうなんだね」
「感謝はお礼はね」
そうしたものはといいますと。
「同じもので返す」
「感謝やお礼で」
「そうすることだね」
「オズの国の法律ではね」
「そうね、遠慮はしないで」
「喜びで返すんだったね」
「感謝してくれるなら」
それならというのです。
「感謝してくれてお礼ならね」
「私達のお礼ね」
「それで返すことだね」
「そうしてね」
こう言うのでした。
「いいわね」
「ええ、それじゃあね」
「そうさせてもらうよ」
おばさんとおじさんもそれならと応えました。
「今回のことは」
「前回のこともね」
「私だってお礼で返しているのよ」
ドロシーにしてもというのです。
「おばさんとおじさんにどれだけよくしてもらったか」
「カンザスにいた時に」
「あの時にだね」
「お二人はどうとも思っていなくても」
それでもというのです。
「私の両親だから」
「うん、おばさんとおじさんがいないとね」
トトも言ってきました、もう一匹の家族である彼も。
「ドロシーも僕もどうなっていたかわからないよ」
「私達お父さんもお母さんもいないけれど」
ドロシーもトトもです。
「本当におばさんとおじさんがね」
「親なのね」
「そうなるんだね」
「おばさんがお母さんでね」
ドロシーから見ればです。
「おじさんがお父さんよ」
「私達には子供がいないから」
おばさんはそれでと答えました。
「ドロシーは娘よ」
「可愛くて優しい娘だよ」
おじさんも言いました。
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