八条学園騒動記
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第七百五十六話 無法地帯だとその六
「もうな」
「ないな」
「他はだ」
「そんな社会だとな」
「正しくだな」
「悪人が裁かれるか」
テンボは強い声で言った。
「そんな筈がない」
「法律があってだな」
「アンブレラ伯父は言った」
アブナァ伯父のことだ、この時代では牧場や農園のオーナーになっていることが多い。本来はアメリカが独立した頃の牧場主である。
「法律がないと誰が人を守る」
「暴力を否定してだな」
「そうだ、弱い人を守るのは」
それはというと。
「まさにだ」
「法律だな」
「法律とだ」
それにというのだ。
「民主主義がだ」
「人を守るな」
「だからな」
そうであるからだというのだ。
「法律はな」
「それはな」
「必要でだ」
そうであってというのだ。
「ないとな」
「どうにもならないな」
「そうそう、アブダラ伯父さんは偉大よ」
ジャッキーは名前を間違えながらも言った。
「アメリカの大昔からね」
「あの国が出来た頃だな」
「あの頃にね」
まだアメリカという国がその国家の形が形成されようとしている頃だ、アメリカ独立前に生まれた人も非常に多かった。
「もうよ」
「法律と民主主義の大事さを言ったな」
「それを見るとね」
それこそとダンに話した。
「物凄くね」
「偉大だな」
「知恵と知識があって」
この二つがというのだ。
「そしてね」
「そのうえでだな」
「さらにね」
それに加えてというのだ。
「正義感もあって」
「法律と民主主義の大事さをな」
「常に言っていて」
そうしてというのだ。
「悪人を見付けても」
「リンチにはかけなかったな」
「かけさせもしなかったわ」
これがこの人物の重要な部分であるのだ。
「断じてね」
「今だってそうだな」
「時代と舞台が変わっても」
それでもというのだ。
「そのことはね」
「絶対だな」
「ソロバン王の様に」
ソロモン王である。
「賢い人なのよ」
「偉大だな」
「だからあたし達もね」
「法律と民主主義はか」
「守るわ」
「俺達は罪は憎む」
テンボも言った。
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