ハッピークローバー
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第百三十一話 悪魔がいないその八
「フランスのお隣さんの」
「ああ、野獣のお話も近いわね」
「その子が言うには」
「どうなの?」
かな恵は理虹に尋ねた。
「それで」
「あの野獣あの辺りの誰かがハイエナとか飼って訓練させたものってね」
「言われてるの」
「そうじゃないかって」
その様にというのだ。
「言う人いるわ」
「そうした説もあるのね」
「これがね」
「そうなのね」
「少なくとも狼じゃないって」
その様にというのだ。
「その娘も言ってるわ」
「狼じゃないのは絶対ね」
「どう考えてもおかしいから」
理虹も言うことだった。
「狼が人と家畜両方いて」
「人間の方襲うのか」
「狼だと確実にね」
「家畜襲うわね」
「羊なり山羊なりをね」
「日本でも畑荒らす獣食べてたしね」
かな恵はここでもこのことを話した。
「普通はね」
「そう、本当にね」
それこそとうのだ。
「人は襲わないわよ」
「そうよね」
「相当餓えてると人も襲うらしいけれど」
「相当よね」
「あくまでね」
そうでもないと、というのだ。
「それでよ」
「あの野獣は狼じゃないわね」
「何か別の生きものか」
「妖怪ね」
「私もそう思うわ」
「というか基本人狼って怖くないわよね」
かな恵はここでこんなことを言った。
「うちの学園にもいるけれど」
「言うならね」
理虹はここでこんなことを言った。
「狼って犬でしょ」
「そうそう、狼から犬になったから」
かな恵も確かにと頷いた。
「人狼もね」
「本当はそんなに怖くないわね」
「狼が怖くなくて人に懐くから」
そうした生きものだからだというのだ。
「人間が最初に家畜にしてね」
「犬になったわね」
「むしろ豚よりも」
この家畜よりもというのだ。
「大人しかったでしょ
「豚って猪から家畜になったしね」
「だからお肉の味似てるしね」
「そうそう、豚肉を固くした感じよ」
かな恵は料理部の部員として答えた、実際に家で調理して食べて一家で美味いと話したこともある。
「猪は」
「その猪って狂暴でしょ」
「突進しての一撃が凄いのよね」
「体当たりと牙でね」
「下したら死ぬ位に」
「だからね」
それでというのだ。
「猪の方がね」
「家畜にしにくかったのね」
「そのこと考えたら」
「人狼も」
「狼の習性が強いと」
「怖くないわね」
「けれど人間の思考が出て」
そうしてというのだ。
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