正しいジャーナリスト
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第二章
「酷いっていう」
「だからね」
「そこはか」
「人それぞれで」
そうであってというのだ。
「嘘書いたりする人もいるけれど」
「そうだよな」
「お父さんはよ」
彼はというのだ。
「別にね」
「悪いジャーナリストじゃないか」
「何なら記事見ればいいわ」
本人のそれをというのだ。
「そうしたらわかるから」
「実際はどうか」
「あんたも贔屓のチームのことならわかるでしょ」
「球団のファンクラブに入ってるし雑誌も買ってるよ」
ただし巨人ではない、一家全員アンチであり口には出さないが父もである。
「そうしてるよ」
「それならわかるわね」
「それじゃあな」
母の言葉に頷いてだった。
「ジャーナリスト、マスコミっていってもか」
「それぞれだって頭に入れてね」
そうしてというのだ。
「見て言ってね」
「親父もか」
「そうよ」
父もというのだ。
「ちゃんと取材して公正に書いているならね」
「いいか」
「その人よ」
問題はというのだ。
「確かに碌でもない人が多い業界だけれどね」
「ヤクザ屋さんと変わらなくてもか」
「それでも表の世界ではあって」
そうであってというのだ。
「ましてお父さんはスポーツ関連でしょ」
「スポーツジャーナリストって言ってるな」
「スポーツはましなところはましだから」
メディアでもというのだ。
「タブロイドとか酷い人がいてもね」
「親父は違うか」
「そうよ、だから嫌うことも恥に思うこともないわ」
「マスコミの人間でもか」
「そう、安心してね」
「わかったよ」
明は母の言葉に笑顔で頷いた、そうしてだった。
以後父について嫌なものを感じることはなくなった、そして彼の取材の結果を見ていつもいいと思った。そして自然と笑顔になったのだった。
正しいジャーナリスト 完
2024・6・17
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