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金木犀の許嫁

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第二十二話 里帰りの準備その三

「実家ではゆっくりとして下さい」
「くつろいでいいのですね」
「はい、ゆっくりと」
 そうしてと幸雄に話した。
「そうして下さい」
「そうしていいんですね」
「はい、そして」
 それにとだ、真昼はさらに話した。
「美味しいものもありますから」
「お料理もですか」
「お母さんが作ってくれるんで」
 料理をというのだ。
「ですから」
「そちらもですか」
「楽しみにされて」
 そうしてというのだ。
「いらして下さい」
「それでは」
「佐京君もね」
 夜空は佐京に声をかけた。
「ゆっくりとね」
「していいんだ」
「だって私達が結婚したら」
 佐京にさらに話した。
「佐京君あちらにお泊りすることだってあるのよ」
「夜空さんの実家に」
「だって私があちらにお泊りするなら」
「俺も旦那さんだから」
「一緒にね」
「お泊りするんだ」
「そうなるお家だから」
 それ故にというのだ。
「くつろいでね」
「いればいいんだ」
「そう、それでね」
「それで?」
「実家でも私お料理するし」
「そちらでも夜空さんのお料理楽しんでいいんだ」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「そうするから」
「何かそれだと」
 佐京は夜空のその言葉を聞いて言った。
「本当にこのお家にいるみたいに」
「自然でいてね」
「そうするね」
「ええ、それと」
 夜空はさらに話した。
「お父さんとお母さんへのお土産とかはね」
「お菓子持って行こうか」
「そういうのいいから」
 こう言うのだった。
「別にね」
「けれどそれは」
 佐京は夜空にどうかという顔になって答えた。
「礼儀だから」
「二人共そういうの好きじゃないから」
 それでというのだ。
「本当にね」
「いいんだ」
「ええ」
 そうだというのだ。
「そういうのはね」
「けれど礼儀だし」
「はい、何かお菓子持って行きます」
 白華も言ってきた。
「ケーキか何かを」
「そうするから」
「こうしたことはいいかと」
 幸雄も夜空に言ってきた。
「礼儀も大事です」
「遠慮なくでもですか」
「はい、それにお菓子がありますと」
 幸雄はさらに話した。
「皆さんでも食べられるので」
「そのこともあって」
「尚更です」
 まさにというのだ。 
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