八条学園騒動記
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第七百五十五話 ドラッグその一
ドラッグ
テンボはクラスで相棒のジャッキーにこんなことを言った。
「シャボン=ホームさんな」
「あの人がどうしたの?」
シャーロック=ホームズを言い間違えたがジャッキーには通じた。
「それで」
「いや、麻薬やってたんだな」
「そうだったの」
「読んでみるとな」
その手にはコナン=ドイルの原作がある。銀河語翻訳である。
「そうしたらな」
「そうだったのね」
「コルクをやっていたらしい」
コカインの間違いである。
「どうもな」
「そうだったの」
「当時は合法だったらしい」
「麻薬なんて駄目よ」
ジャッキーは顔を顰めさせて言った。
「何があってもね」
「今だとな」
「絶対にね」
こう言っていいまでにというのだ。
「やったらね」
「駄目だな」
「そんなことしたら」
それこそというのだ。
「身体も心もボロボロになって」
「廃人になるな」
「それですぐによ」
ジャッキーはさらに言った。
「早死にするわ」
「そうならない筈がないな」
「身体も心もボロボロになるのに」
「どうして長生き出来るか」
「出来る筈ないわよ」
強い言葉で言い切った。
「本当にね」
「全くだな」
「何でやるのか」
ジャッキーは真剣な、怒気さえ含んだ顔で言った。
「わからないわよ」
「俺もだ」
「そうよね、麻薬なんかしなくてもね」
「俺達は天才だからな」
「頭の中でね」
自分達のというのだ。
「麻薬をよ」
「出せるな」
「そうだからね」
それ故にというのだ。
「あたし達にはよ」
「麻薬は必要ない」
「そして若しやってる人がいたら」
「警察に通報しないとな」
「犯罪だしね」
「そのままやっていていいことはないしな」
だからだというのだ。
「もうな」
「それは止める」
「絶対にね」
「ああ、あんた達も麻薬反対なのね」
エイミーは二人の話を聞いて微笑んで言った。
「安心したわ」
「誰があんなものするか」
「シャラク=ホンタイジさんがしていてもね」
「まあ名前は兎も角としてね」
シャーロック=ホームズを言い間違えていてもというのだ。
「麻薬をしないことはいいことよ」
「それでしている人を通報することもな」
ダンも来て言って来た。
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