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星河の覇皇

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第八十六部第五章 傍目に見つつその二

「そうなっています」
「そして平民の社会は疎外されていません」
「貴族の社会も平民の社会もあります」
「また平民でも有能ならば頭角を表すことが出来ます」
「平民出身の総統も閣僚も多くいます」
「また平民の政党もあります」
 これはエウロパ全体にある、イギリスの長い伝統を誇る労働党もであるし中央政府でも改革派が平民の政党だ。
「平民の議会まであります」
「しかし我々は」
「アウトカーストは完全に疎外されていました」
「人口にすら入れられていませんでした」
「その社会はないものとさえされていました」
「マウリアにおいて」
「そうだ、だから法律もだ」
 これもというのだ。
「カースト内の法律は我々には意味がなく」
「アウトカーストの法律があり」
「もう完全に分けられていました」
「警察も我々にあり」
「相互で問題があれば協議していましたが」
「そもそも二つの世界に分かれていたので」
「そのせいでそうなっていた、カーストの者がアウトカーストを殺せば」
 その逆もあった。
「非常に複雑な事態になった」
「法律が違うので」
「それぞれの階層で」
「それで、ですね」
「問題になっていましたね」
「そうだった、こんなことはエウロパでもない」
 法律まで別ということはというのだ。
「そうだな」
「その通りです」
「マウリアの階級はそんなものではありません」
「エウロパの比ではないです」
「マウリアで人間はカースト内の者だけでした」
「我々一千億のアウトカーストは」
 自分達はというのだ。
「人間でなかったです」
「まるで石の様に扱われてきました」
「人間である筈なのに」
「長い間そうでした」
「それを覆すのだ」
 ジャバルの声が強いものになった。
「何としてもな」
「その為にですね」
「教育も力を入れていきますね」
「優れた人材を育てる為に」
「アウトカーストの者達の中で」
「そうだ、だからエウロパの教育改革はだ」
 それはというのだ。
「これからな」
「注視し」
「よいものは採り入れる」
「マウリアのそれに合わせて」
「そうしていきますね」
「我々はな、教育にもだ」
 この分野にもというのだ。
「力を入れてきたが」
「これからはこれまで以上にですね」
「そちらに力を入れて」
「マウリアの中心を担う」
「そうしていきますね」
「そうだ、教育は力になる」
 それ自体がというのだ。 
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