スーパー戦隊超決戦
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第十八話 最初の決戦その二
「何一つとしてだ」
「知らないか」
「だから尚更だ」
「戦いには巻き込まない」
「そのことも頼む」
「わかったよ」
アラタは明るい声で応えた。
「俺達もそういうことは嫌いだから」
「彼等を巻き込まないでくれるか」
「ドクターマンさんのこともね」
彼の過去それに素性のこともというのだ。
「言わないよ」
「そうしてくれるか」
「だって今のドクターマンさんはギアの首領じゃないから」
だからだというのだ。
「絶対にね」
「言わないか」
「そう、そしてね」
そのうえでというのだ。
「ここでずっと暮らしてね」
「土産物屋の店長としてだな」
「そうしてね」
「それではな」
「うん、俺達に任せて」
「君達は皆信じられる者達だ」
ドクターマンは確かな声で言った。
「戦隊の諸君はな」
「そう言ってくれるんだ」
「知っているからな」
戦隊の者達をというのだ。
「どの戦隊の者達もだ」
「信じられるんだ」
「そうした者達でなければな」
さもないと、というのだ。
「なりはしないからな」
「それでなんだ」
「君達は皆信じられる」
この戦いに参加しているどのチームの者達もというのだ。
「心からな」
「そこまで言ってくれるんだ」
「事実だからだ、敵として対していた時も」
ギアの首領だった時もというのだ。
「そうだったからな」
「それで俺達も」
「信じられる、ではだ」
「これからだね」
「宜しく頼む」
ドクターーマンは頭を下げた、ゴセイジャーの面々は彼に誓った。こうしてかつてギアの首領だった老人は戦隊の助けを受けることになった。
その話の後でだ、ゴセイナイトはドクターマンに尋ねた。
「一ついいだろうか」
「何だ」
「貴殿のことだが」
「私のことか」
「確かご子息がおられたな」
「今も健在だ」
ドクターマンは一言で答えた。
「今では結婚して家族もいる」
「そうなのだな」
「就職もしてな」
そのうえでというのだ。
「幸せに暮らしている」
「それは何よりだ、だが」
それでもとだ、ゴセイナイトはドクターマンに言った。
「貴殿はご子息と会うことはしないのか」
「家族ともだな」
「そうしないのか」
「私は家族を捨てた」
ドクターマンはゴセイナイトに沈痛な顔で答えた。
「その私がだ」
「会う資格はないというのか」
「そうだ、最早な」
こう言うのだった。
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