神々の塔

「今こうしてや」
「うち等はこの塔におるね」
「強うなる為にな」
「そやね」
「ほなな」
　施はさらに言った。
「どないすればええか」
「エカテリーナちゃんは強うなっててやから」
「それやとな」
「うち等も強くなる」
「そうなればええ、スポーツかてな」
　施はこちらの話もした。
「新戦力も大事やが」
「新人の人、助っ人さん、トレードで入ってもらうとか」
「フリーエージェントでな」
「レアルマドリードなんかそやね」
　綾乃はサッカーの子のチームの話もした、実は巨人というこのうえなく邪悪な存在のことも思い出したが忌まわしいので話に出さなかったのだ。
「お金あるさかい」
「世界から戦力集めてるわ」
「凄い選手ばかり」
「そうしてな」
「強いね、あそこ」
「新戦力は大事や」　
　施はこのことはその通りとした。
「ほんまな、けどな」
「今ある戦力をやね」
「育ててな」
「強うする」
「そうすることもな」
　まさにというのだ。
「ほんまな」
「大事やね」
「今おる選手を育てて」
　そうしてというのだ。
「能力を上げるとな」
「その分強うなるね」
「そのことを忘れてたわ」　
　施は苦い顔で言った。
「あの時の自分等は」
「そやったね」　
　綾乃は悔やんだ顔で応えた。
「国力があって星の子もよおさんおって」
「もうそれでや」
「勝てるって思ってたわ」
「圧倒的にな、しかしや」
　そう思っていたがというのだ。
「自分等も仕事していって」
「経験積んでて」
「それなりにレベル上がってたけどな」
「あくまでそれなりやった」
　芥川が言ってきた、彼も苦い顔であった。
「ほんまな」
「そやったな」
「連中はそれなりどころかな」
「段違いやった」
「そこまで強くなっててな」
　そうであってというのだ。
「天の星のモンが神星の域に達してて」
「持ってる神具も増えててな」
「神星の三人はな」
　エカテリーナとタゴールそしてターリャの顔を思い出しつつ話した。
「もう一段階や」
「上になっててな」
「ほんまな」
　それこそというのだ。
「鬼みたいな強さや」
「そやったな」
「それでや」　
　その為にというのだ。