金木犀の許嫁
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第二十話 大阪の実家その四
「何かとお話してもいいでしょ」
「そうなの」
「ええ、だからね」
「佐京君もなの」
「何なら私は行かないで」
真昼はというのだ。
「二人で行ってきたら?」
「私と佐京君で」
「どうかしら」
「いや、それは」
どうかという顔になってだ、夜空は真昼に答えた。
「別にね」
「いいの」
「私とお姉ちゃんで」
「けれど許嫁ならね」
「夫婦と同じだから」
「一緒にね」
二人でというのだ。
「帰ったらいいわよ」
「そうなの」
「それで一人で帰ってもね」
夜空だけでもというのだ。
「いいでしょ、言われたら私一人でもね」
「里帰りするの」
「それもいいわねって今思ってるし」
実際にというのだ。
「それもまたね」
「よしなのね」
「私一人で帰るのも。それで夜空ちゃんも」
妹に対して話した。
「気が向いたらね」
「一人で帰ってもいいのね」
「佐京君が言う通りしたら駄目って法律ないでしょ」
だからだというのだ。
「それならね」
「いいのね」
「そうでしょ」
こう言うのだった。
「本当にね」
「そうなのね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「お父さんお母さんとね」
「会ってお話すればいいのね」
「そうしてもいいでしょ。それに実家大阪だし」
この街にあるからだというのだ。
「それならね」
「神戸から電車ですぐだし」
「だからね」
それでというのだ。
「行って来たらいいのよ」
「そうなのね」
「位置的にも深刻に考えなくていいでしょ」
「神戸と大阪なら」
「ええ、行ってすぐ帰ってこられるし」
「それじゃあ」
「もう時間があって」
そうであってというのだ。
「行こうと思ったら」
「それでなの」
「連絡入れてね」
実家の方にというのだ。
「それでね」
「帰ってもいいでしょ」
「そうなのね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「深く考えないで」
「それでなの」
「行けばね」
そうすればというのだ。
「いいでしょ」
「簡単なのね」
「そう、そう考えて」
「行けばいいのね」
「そうよ」
まさにというのだ。
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