金木犀の許嫁
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第二十話 大阪の実家その二
「悪くない?」
「悪いの?」
「したら駄目って言う人もいるらしいわ」
「何がどう悪いのか」
左居は夜空の今の話に首を傾げさせて答えた。
「わからないけれど」
「そう言う人もいるし」
「法律で決まってるのかな」
そうしたことはというのだ。
「決まってないよね」
「それはね」
「家訓ってああるけれど」
佐京は今度はそちらの話もした。
「おかしな家訓はね」
「あるのね」
「やっぱりね、そんな家訓はあっても」
それでもというのだ。
「変えるべきだし」
「そうした家訓があっても」
「奥さんが里帰りしても」
そうしてもというのだ。
「浮気するんじゃないし」
「お父さんお母さんに会うだけね」
「生まれ育ったお家に帰るだけだから」
「いいのね」
「俺はそう思うしうちだと」
猿飛家ではというのだ。
「そんなこと言わないし家訓にも」
「ないのね」
「うちも古いお家で」
そうであってというのだ。
「真田家直臣で」
「お大名のお家に」
「薩摩藩でも武士だったし」
「真田家が上士だったのよね」
「うん、お殿様にもお会い出来る」
そうしたというのだ。
「直臣でその直臣の家臣で」
「武士のお家で」
「戦前まで士族だったし」
「家訓あるのね」
「またそのお話はさせてもらうけれど」
家訓のというのだ。
「真面目に働いて家族仲よく」
「それが家訓なの」
「うん、真田家にはお仕えして」
主家にはというのだ。
「十勇士のお家は互いに仲よく」
「そうなっているのね」
「そういったことを昔の文章で書いているだけであとは武士道をね」
これをというのだ。
「忘れないで日々精進、忍術も」
「修行することなの」
「そうしたことが家訓として書かれているけれど」
それでもというのだ。
「難しいことは書いてないし」
「そうなのね」
「真面目に」
その様にというのだ。
「生きていきなさいってこと書いてあるけれど」
「奥さんについては」
「そんなこと書いてないから」
「だからいいの」
「うん、大体そんな家訓あったら」
佐京はそれならと話した。
「そっちの方がおかしいから」
「変えるのね」
「若しあったら。それで夜空さんが里帰りしても」
「いいのね」
「真昼さんと一緒に」
二人でというのだ。
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