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第百二十九話 運動会の進展その八

「ぬか味噌だとね」
「かな恵もそう思う?」
「飲む為のものじゃないからね」
 こう留奈に答えた。
「だからね」
「まずいのね」
「そうだと思うわ」
「かな恵にしても」
「正直ぬか味噌で作るよりも」
 味噌汁をというのだ。
「普通のお味噌でね」
「作りたいわよね」
「私もお味噌好きだしね」  
 留奈に微笑んで話した。
「だからね」
「お味噌汁は普通のお味噌ね」
「戦国時代はお味噌がまだ普及してなくて」
「江戸時代から?」
「そう、その頃からね」
 実際にというのだ。
「普及してるから」
「戦国時代はまだだったの」
「贅沢な食べもので」 
 そうであってというのだ。
「お殿様でないとね」
「食べられなかったの」
「焼き味噌のお話も出たけれど」 
 織田信長が好きだったこの料理もというのだ。
「当時はね」
「贅沢だったの」
「そうだったのよ」
「じゃあ信長さんは」
「ご馳走をね」
 そう言っていい料理をというのだ。
「いつも食べていたのよ」
「そうだったのね」
「それでね」 
 かな恵は留奈にさらに話した、話しながら実は味噌の味を思い出して食欲を感じていた。そのうえで話していた。
「焼き味噌はお金が落ちるって」
「そう言われてたの」
「そうだったのよ」
「お金が落ちるって」
「だからそこまでね」
「ご馳走だったのね」
「焼き味噌はね」
 この料理はというのだ。
「そうだったのよ」
「焼き味噌って」
 留奈は言った。
「お味噌に刻んだお葱と生姜を入れて」
「それで混ぜてね」
 かな恵はさらに言った。
「板に塗ってね」
「焼くのよね」
「そうよ」
「手間はかかるわね」
 留奈はそれはと言った。
「お葱と生姜刻んで」
「お味噌と混ぜてね」
「それで焼くから」
「その分手間がかかるわ」
「そうよね、けれど」
 留奈はそれでもと言った。
「どの食材もね」
「安いわね」
「普通にね」
 それこそというのだ。
「スーパーで売ってて」
「手軽に買えてね」
「それで作れるけれど」
「それが当時はね」
 戦国時代はというのだ。 
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