話しても無駄
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二章
「お願いすればいいわ、やってみて」
「それじゃあ」
妻の言葉に頷き実際にだった。
彼はサイトのルールを熟考したうえで具体的かつ厳しいものにして利用者に絶対に見て守ってくれと言った、これでだった。
乱暴な書き込みはかなり減った、だが。
「まだね」
「そうした人いるわね」
「三人位ね」
「そうなのね」
「けれど注意するよ」
彼等にとだ、妻に話した。
「そうするよ」
「それでよくならなかったら?」
「どうしようか」
「その時はもうね」
真礼は悟に真剣な顔で言った。
「書き込み禁止にしないと駄目よ」
「そうしないと駄目かな」
「試しに注意してからね」
そうしてというのだ。
「なおらなかったら私以外の人からも聞いて」
「意見を?」
「その人達について常連さんからね」
「サイトでは聞けないね」
「だからメールとかラインとかよ」
「個人的なやり取りをしてなんだ」
「それでね」
そうした方法を取ってというのだ。
「お話してみて。そうした人いるでしょ」
「うん、何人かね」
「じゃあ聞いてみてね」
「その人達に注意してなおらなかったら」
「その時はね」
「そうするよ」
確かな声で頷いてだった。
悟は彼等に管理人として厳重に注意した、それで一人はあらたまったが二人はどうしても収まらず。
サイトの常連でメール彼がサイトにアットマークを付けたうえで連絡してくれと出しているそれを通じて時々やり取りをしている人にその二人について聞くと。
「サイトの雰囲気を悪くしていてね」
「皆迷惑してるわね」
「他の利用者の人達がね」
「そう言ってるのね」
「そうなんだ」
「だったらよ」
それならとだ、妻は夫に話した。
「もうね」
「ここはだね」
「その二人はね」
「アクセス禁止にするんだ」
「そうすることよ」
「そうしたくなかったけれど」
「けれどこのままサイトの雰囲気が悪いままだとね」
「よくないね、サイトは楽しみの一つだし」
悟の趣味の一つだ、仕事の疲れを家庭で妻と一緒にいることそれに読書やゲームと並んで彼の癒しの一つになっているのだ。
ページ上へ戻る