老人の性欲
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第二章
「今も結構な」
「あるな」
「けれどな」
それでもというのだ。
「性欲はな」
「なくなったな」
「そうなったよ」
実際にというのだ。
「自分はないって思ったけれどな」
「ずっとか」
「性欲が強いってな」
その様にというのだ。
「思っていたのが」
「衰えるだろ」
「健康だよ、しかし真っ先にな」
それこそという口調で言った。
「性欲がな」
「衰えたな」
「今じゃどんな美人やスタイルのいい娘見てもな」
「何とも思わないか」
「馬からな」
それこそというのだ。
「草だよ」
「馬から草か」
「そうなった、本当にな」
「衰えてか」
「泳いで食ってな」
そうしてというのだ。
「シルバーワークに行ってな」
「終わりか」
「風呂も入って本も読んでな」
「他のことはか」
「ないな」
こう南に言った、そして実際にだった。
彼はもう性欲はほぼなかった、南に言った通りどんな美人や刺激的なスタイルやファッションの若い女性を見てもだった。
見るだけだった、それでも見るものは見てだ。
とあるそうしたDVDを観てだ、彼は南に一緒に自宅で飲みつつ話した。飲む量も変わっていない。
「何で杖ついた爺さんが元気にな」
「若い娘とか」
「ああ、近所の高校生や奥さんやな」
日本酒を飲みつつ話した。
「倅の嫁さん相手にな」
「そういうことするんだな」
「毎日みたいにな」
「わし等より年上か」
「ああ」
そうだというのだ。
「おむつしてたりするな」
「それはないな」
南はつまみの枝豆を食べながらその話を否定した。
「もうな」
「それこそだよな」
「わし等より年上でだよな」
「七十は優に越えてるな」
「それで杖ついてか」
「おむつしてるな」
そうしたというのだ。
「皺だらけで身体も細くなった爺さんがな」
「わし等以上にか」
「ああ、毎日みたいにな」
「そこまでいくとな」
南は言った。
「まだ異世界に行く方がな」
「ああ、最近そうした小説や漫画多いな」
二人共気は若いのでそうしや作品も知っているのだ、当然ながら読んで観て楽しんでもいて暮らしている。
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