スーパー戦隊超決戦
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第十六話 発見その十
「匂いはしても見付からない筈だな」
「そうですね、お店の中にいれば」
バランスが応えた。
「匂いはしてもです」
「閉じられている場所にいるだけに匂いも限られていてな」
「音もです」
「聞こえにくいな」
「そうですね」
「しかし。勘でな」
スティンガーはドクターマンに入った店の中で会ったことについて述べた。
「会うなんてな」
「凄いことだ」
ナーガも言った。
「思えば」
「そうだな」
「勘も侮れない」
「実にな」
「それで会ったなら」
チャンプはまさにという口調で言った。
「もうだ」
「うん、ドクターマンさんを保護しよう」
是非にとだ、佐久間はチャンプに応えた。
「すぐにね」
「そうしよう、それでだ」
チャンプは佐久間の言葉に頷いてからドクターマンに顔を戻してそのうえで彼に対して強い声で言った。
「貴方には何があってもだ」
「諸君と同行して欲しいと言うのだな」
「そうだ」
まさにというのだ。
「そうしてもらう」
「もらいたいではないか」
「貴方の場合はな」
「それぞれの組織に私が行くとか」
「その知力と技術力を悪用される」
そうなるからだというのだ。
「それでだ」
「今の私にそんな価値があるのか」
「ある」
チャンプは強い声のまま断言した。
「貴方の知力と技術力はそのままなのだからな。違うか」
「私は私だ。だが尾羽打ち枯らしてだ」
ドクターマンは俯き沈んだ声で言葉を返した。
「今はこの店で余生を過ごしている身」
「何もか」
「力もないと思うが」
「気力がないのか」
「そうだ、ギアは滅んだ」
自身のそれはというのだ。
「そうだからな」
「それでか」
「全くだ」
それこそというのだ。
「野心もない、人間の社会に対して何をしようかともな」
「思わないか」
「ギアは滅んだのだ」
自身の国はというのだ。
「だからな」
「何もか」
「することはない、私はここでだ」
「お店をやってか」
「生きる」
「ですが知力と技術力はそのままです」
ラプターはその現実を指摘した。
「それで、です」
「多くの組織が利用するというのだな」
「これまで私がお話させてもらっている通りに」
まさにというのだ。
「そうなれば大変なことになるので」
「私をか」
「来て欲しいのです」
「店は店員達に任せればいいが」
ドクターマンは店の話もした。
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