星河の覇皇
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第八十六部第四章 エウロパが受けた衝撃その十三
「だが生まれながらに備わっていだ」
「すぐにその才能を発揮する」
「そうした人物はですね」
「滅多にいるものではない」
「人類の歴史でも」
「人材はだ」
まさにというのだ。
「一人一人徐々にだ」
「育成していくものですね」
「それもまた教育ですね」
「だからですね」
「教育も我慢ですね」
「待つものですね」
「一人の人材を育てるのは一生のことだ」
すぐのことではなく、というのだ。
「モーツァルトは稀有な例だ、そしてモーツァルトが出るのを待つのではなく」
「我々で育てる」
「モーツァルト程でなくとも」
「まさにその人材の一生を賭けて」
「そうして育てていくものですね」
「それが総統閣下の教育改革でだ」
ギルフォード、彼のというのだ。
「それでだ」
「それには時間がかかる」
「まさにその人の一生分」
「だからですね」
「待つことですね」
「そうだ」
それが大事だというのだ。
「間違っても放り出すものではない」
「人材については」
「徐々にそうしていき」
「そしてですね」
「育つのを待つのですね」
「そういうことだ、能力が劣っている様に見えてもだ」
例えそうであってもというのだ。
「その人材を放り出す」
「それはですね」
「あってはならないですね」
「今男爵も言われましたが」
「それはならないですね」
「教育者もそうだが」
それだけでなくというのだ。
「親もだ」
「同じですね」
「そのことは」
「教育には時間がかかる」
「一朝一夕には出来ない」
「そうですね」
「料理は数時間で出来てもだ」
それでもというのだ。
「それを作るシェフ一人を育てることは数時間か」
「何年ですね」
「何年もかかりますね」
「そうして育てます」
「シェフは」
「それが教育だ、歳月をかけてだ」
そのうえでというのだ。
「育てるものだ」
「だからですね」
「教育は待つことでもありますね」
「左様ですね」
「そうしたものですね」
「そうだ、人の教育はな。もっと言えば」
フレッセルは人以外のもののことも話した。
「犬や猫もだな」
「そうですね、飼うにしてもです」
「色々教えないといけないです」
「何かと」
「そうして飼うものです」
「それが出来ないとだ」
それこそというのだ。
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