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神々の塔

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第六十八話 高位の神霊達その六

「いよいよって時にな」
「出て来たんやな」
「戦を決める存在としてな」
 その立場でというのだ。
「出て来て」
「容赦なく攻撃するか」
「弱ったサタンの軍勢にな」
「まあそれが戦やが」
「読んでるとな」 
 失楽園のその場面をだ。
「ほんまな」
「無慈悲か」
「そんな存在に見えた、これでや」
 リーはさらに話した。
「敵を降してな」
「それで終わりやったらやな」
「許したり仲間に迎える」
「それやとやな」
「よかったが」
「断罪してやな」
「地の底に落としたわ」
 敗れたサタン達をというのだ。
「神に反逆した罪でな」
「そうしたか」
「もうな」
 それこそというのだ。
「容赦はな」
「なかったか」
「そやった」
 まさにというのだ。
「ほんまな」
「断罪してな」
「それやとやな」
「神の方がな」
 むしろという口調での言葉だった。
「悪やとな」
「思える位やな」
「そや、そして悪やなかったら」
 神がというのだ。
「二つの正義がある」
「そう思えるか」
「失楽園を読んでもな」
 そうしてもというのだ。
「そや、悪魔もまたや」
「正義か」
「そう考えられるわ」
「元はゾロアスター教の善悪の考えから来てるらしいけど」 
 綾乃はこう羅に話した。
「ゾロアスター教やとそう定義されてて」
「悪の神アンラ=マンユもな」
「それが役割やけど」
「この世を動かす悪を司るのが」
「善はアフラ=マツダが担って」
「アンラ=マンユはそうなってるな」
「そやけど日本の魔王は」 
 その彼等はというのだ。
「役割としてそうしてるんやなくて」
「ほんまに悪を為す」
「そう決意して」
「怨霊となったうえでやな」
「動いてはるから」 
 そうであるからだというのだ。
「かなり怖いね」
「キリスト教の魔王よりも」
「もう一つの正義でも役割として司ってるんやなくて」
「怨みからやな」
「そうなってるさかい」
 だからだというのだ。
「日本では一番恐れられてるねん」
「そういうことやな」
「妖怪も怖いのおるけど」
「人を殺す様なやな」
「濡れ女なんか吸血鬼で」
 川に出て来る妖怪で上半身は女だが下半身は蛇である、その体長は何と三百メートルに達するという。 
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