幽霊には塩
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第一章
幽霊には塩
今度のドライブ先に幽霊それもかなり悪質な地縛霊が出ると聞いてだ、石毛博信背が高く黒髪をスポーツ刈りにした太い眉ときりっとした長方形の顔の彼は言った。
「祟られないか?」
「かなりやばいらしいぞその幽霊」
ドライブ仲間の辻彰浩細い目で一七六位の背でやや太った黒髪を伸ばしている彼は石毛に対して話した。
「どうもな」
「じゃあお護り持って行くか」
「俺も行くしな」
「お前もお護り持って行くか」
「ああ、それにね」
辻はさらに言った。
「塩もな」
「持って行くか」
「ああ」
そうするというのだった。
「用心には」
「幽霊には塩か」
「邪なものにはな」
それにはというのだ。
「やっぱりな」
「塩か」
「それだろ」
こう言うのだった。
「清めの塩っていうしな」
「力士さんも撒くな」
「あれはな」
土俵に撒く塩はというのだ。
「まさにな」
「魔除けだな」
「そうだよ、邪なものをな」
「清めの塩で祓う」
「そうしたものだからな」
「それで撒くな」
「だからな」
それでというのだ。
「俺達もな」
「塩も持って行くといいか」
「ああ、本当にな」
辻は真顔で言った。
「その地縛霊はな」
「悪質か」
「姿見たらな」
そうすればというのだ。
「三日三晩うなされたとかな」
「そんな話あるか」
「見たら早死にするとかもな」
「それ洒落になってないな」
「色々聞くからな」
だからだというのだ。
「用心にな」
「幽霊が出ない様にだな」
「お守りとな」
それにというのだ。
「塩をな」
「持って行くことだな」
「そうだな、あとな」
辻はさらに言った。
「お経も持って行くか」
「そっちもか」
「兎に角な」
「悪質な地縛霊が出る場所行くにはか」
「ああ、そういうの信じるだろ」
「俺はな」
「俺もだよ」
辻は自分もと返した。
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