屋根裏にいたのは
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第二章
「その妖怪が寝ていて寝相が悪くて動き回って」
「それで五月蠅かったのか」
「そうらしいんだよ、それで大家さん妖怪見てびっくりしてな」
それでというのだ。
「何時の間にいたんだってな」
「妖怪に言ったか?」
「それで去年からってな」
「妖怪が言ったんだな」
「それで大家さん妖怪と話して」
そしてというのだ。
「俺達に事情を話してくれたよ」
「屋根裏に妖怪がいたって」
「それで五月蠅かったってな」
「妖怪がいるとかな」
「まあうちの学校妖怪の話多いけどな」
「八条大学はな」
友人はビールを飲みながら応えた。
「そうだな」
「それでこのアパートにもな」
「いたんだな」
「ああ、そしてな」
それでというのだった。
「大家さん妖怪と話して」
「どうなったんだ?」
「家賃払うってことで」
「まさかと思うが」
「いるよ、今も」
因幡は天井を見上げつつ答えた。
「そうだよ」
「そうなんだな」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「今も時々な」
「音するか」
「そうだよ、ただ寝袋で寝る様にしたらしくて」
「前よりはか」
「寝袋だと動かないだろ」
「動き固められるからな」
寝袋に包まれてだ。
「それでな」
「五月蠅くなくなったんだ」
「そうだよ、よかったよ」
「そうだな、妖怪がいても迷惑じゃなかったらな」
「それでよしだよ」
笑顔で言ってそうしてだった。
因幡はおつまみの柿の種を食べた、そのうえでまた飲むのだった。屋根裏の話を終えた彼は実にさばさばとしていた。
屋根裏にいたのは 完
2024・5・18
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