八条学園騒動記
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第七百五十一話 本名じゃないその四
「嫌な言葉ね」
「そうよね、民衆の人達がね」
「奴隷になることも警戒していたの」
「宣教師に他の国に売り飛ばされて」
「奴隷にされていたのね」
「それを豊臣秀吉さんが知って」
徳川幕府の前の天下人であった彼がというのだ。
「驚いてすぐに皆買い戻したそうだから」
「それで助けたのね」
「その時幕府の将軍になった徳川家康さん秀吉さんの傍にいたから」
政権の重臣筆頭であったのだ。
「そのこと知ってたし」
「キリスト教禁止したのね」
「けれどね」
幕府はそうしたがというのだ。
「豊臣家は逆によ」
「キリスト教認めたの」
「当時豊臣家は秀頼さんのお母さんが権力握ってて」
淀殿という、尚当時は秀頼の母親であったのでお袋殿と呼ばれていた。
「この人何もわかってなかったのよ」
「何も?」
「そう、政治のことがね」
これがというのだ。
「本当にね」
「わかってなかったの」
「もっと言えば軍事のこともね」
「何もわかってなかったのね」
「それでキリスト教認めたのよ」
「幕府は禁じたのね」
「向こうの侵略とか民衆の人達が奴隷になるとか」
そうしたことはというのだ。
「全くね」
「考えなかったのね」
「どうも幕府への対抗心で」
ただそれだけでというのだ。
「やったみたいよ」
「本当に政治のことわかってなかったのね」
「それで幕府も無視出来なくて」
まともな政権なら他国の侵略を許さない、それに民を海外に売り飛ばされて奴隷にされることもそうするものだ。
「戦いになったのよ」
「それが大坂の陣の原因ね」
「キリスト教がね」
まさにそれがというのだ。
「そうだったのよ」
「お名前のことじゃなかったのね」
「そんなことではね」
「戦にはならないわね」
「そうよ、流石にね」
「戦争なんてないに越したことないわよね」
エイミーは二人の姉の話を聞いて述べた。
「やっぱり」
「そうよね」
ベスがまさにと答えた。
「あんなことはね」
「平和が一番よね」
「大坂の陣だってね」
「ないに越したことはないわね」
「そうよね、しかし」
「しかし?」
「いや、名前だけれど」
エイミーもこちらの話に入るのだった。
「日本人の昔の名前ってそうだったのね」
「諱あったのね」
「昔の中国だと」
中国人の名前はというのだ。
「名前あって字もね」
「あったわね」
「何か項羽さんは」
史記でその圧倒的な強さを見せた彼はというのだ。
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