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ハッピークローバー

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第百二十八話 人は強くなってもその四

「あれはね」
「それは言えるわね」 
 富美子も否定しなかった。
「地震はね、いきなり来てね」
「滅茶苦茶なことになるでしょ」
「神戸だってね」
 今自分達がいるこの街もというのだ。
「地震でね」
「滅茶苦茶になったわね」
「北海道もね」
「あんな怖いものないわ」 
「災害程」
「いや、何処かの馬鹿がね」
 眉を顰めさせて言った。
「地震発生装置あるとか」
「それで地震起こさせてるとか言うわよね」
「北海道が選挙区の」
 留奈にさらに嫌そうに話した。
「元総理大臣もね」
「あの鳥みたいな名前の」
「あいつもね」
「あいつなのね」
「いや、本当に碌なこと言わないし」 
 その元総理はとだ、北海道の娘は留奈に対して露骨にしかもかなり強い嫌悪感を見せてそうして話した。
「やらないし」
「そう言うのね」
「あいつ禁治産者じゃないかってね」 
 その様にというのだ。
「言う人いるし」
「あそこまで酷いから」
「私もあいつ大嫌いだし」
「そう言うのね」
「そんなものあったら」
 地震発生装置の様なものがというのだ。
「それこそどれだけ凄いか」
「災害自在に起こせるなら」
「あんなエネルギー出せる技術あったら」
 そうであるならというのだ。
「文明だってね」
「かなり進歩してるってことね」
「今の私達が思うよりね」
「そうなるわね」
 留奈も確かにと頷いた。
「考えてみたら」
「そんなことも考えないで」
 そうしてというのだ。
「誰かの為に何もしない」
「そんな話聞いたことないわね」
「札幌ドームと並ぶ」
 かつて日本ハムファイターズの本拠地だったこの球場と、というのだ。
「北海道の恥よ」
「まああのドームもね」
 留奈は札幌ドームと聞いて答えた。
「酷いしね」
「そうでしょ」
「もう誰も使わないでしょ」
「誰があんなとこ使うのよ」
 北海道の娘は忌々し気に言い切った。
「それこそね」
「誰も使わないわね」
「それであそことね」
「あいつは」
「北海道の恥よ」
 そうした存在だというのだ。
「あれで元学者だっていうし」
「何か東京工業大学でね」
 留奈はその元総理の顔をここで強く思い出した、その目の部分に犯罪者が入れられる目線を入れたうえで。 
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