おぢばにおかえり
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第八十話 教会の仕組みその三十五
「教会に住んでくれるなら」
「いいんだね」
「新一君を嫌いかって聞かれたら」
そうされたことは一度もないですが。
「別にです」
「ないんだね」
「はい、別に」
失礼で私にだけ図々しいとは思いましが。
「それでも」
「それならいいね」
「うちの教会にですね」
「阿波野君がお泊りしても」
「好き嫌いじゃないですし」
お泊りしてもらうことはです。
「やっぱりおみちに触れてもらう」
「その為のものだね」
「ですから好き嫌いじゃないです」
私個人のです。
「そして新一君はです」
「嫌いじゃないね」
「はい、本当に」
「そういうことだからね」
白石さんはまた新一君にお顔を向けて彼に笑顔で言いました。
「お邪魔したらいいよ」
「緊張しますね」
「そうすることないよ、阿波野君からどんどんね」
「いけばいいんですか」
「そいうもしていっていいよ」
「それは僕には無理ですが」
「何が無理なのよ」
またしてもわからない展開でした。
「一体」
「ですから先輩がいいって言われないと」
「私が?」
「言われてもかなり」
「阿波野君って相当へたれだね」
白石さんがまた笑って言いました。
「というか奥手なんだね」
「そうですかね」
「女の子と普通にお話出来るよね」
「抵抗はないですが」
「じゃあ大丈夫だよ」
「そうでしょうか」
「わしが太鼓判押すよ」
また新一君に言うのでした。
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