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オズのエマおばさん

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第五幕その五

「お花の」
「そうでしょ」
「街のあちこちに花壇もあって」
 そして色々な色の花々が咲き誇っています、特にチューリップが多いです。
「その匂いがしますね」
「そうでしょ」
「ただ奇麗なだけでなく」
 街はというのです。
「香りもしますね」
「そうした意味でもいい街ね」
「はい、街の人達の身なりも奇麗で」
「ちゃんとお風呂に入ってお洗濯もよ」
「しているからですね」
「そうよ」
 だからだというのです。
「だから清潔でね」
「いい匂いもしますね」
「人からもね」
「そうなんですね、確か」
 カルロスはさらに言いました。
「昔の欧州はお風呂も滅多にですね」
「入らなくてね」
「やっぱり匂いましたね」
「服のお洗濯も殆どね」
 こちらもというのです。
「しなくてね」
「不衛生で」
「匂いもよ」
「したんですね」
「同じ様な街並みでも」
 そうであってもというのだ。
「当時と今じゃ違うしここはオズの国だから」
「尚更ですね」
「皆でいつもよ」
 それこそというのです。
「奇麗にしているから」
「街も自分自身も」
「お家の中もね」
「だから奇麗で、ですね」
「いい匂いもするのよ」
「そういうことですね」
「そうよ」
 笑顔でお話するのでした。
「この街だってね」
「そうなんですね」
「だから安心してね。それで街にいる生きもの達も」 
 彼等もというのです。
「街や人がそうでお風呂や水浴びに入れてもらったりしているから」
「奇麗ですね」
「鼠だってね」
「昔は鼠が一番汚かったんですよね」
 中世の欧州ではというのです。
「確か」
「そうらしいわね」
「道の端、そのゴミとかで溢れてるところを群れで動き回っていて」
「かなり汚かったわね」
「そうですね」
「けれどオズの国ではね」
 この国ではというのです。
「街は奇麗で生きもの達もね」
「清潔にしているからですね」
「その心配はないのよ」
「それは何よりですね」
「そういえば生きものに触っても心配いらないわね」
 おばさんはこうしたことも言いました。
「オズの国だと」
「あっ、狂犬病ですね」 
 カルロスはおばさんの言葉にすぐにこの病気を思い出しました。
「他の病気もありますね」
「野生の生きものにもね」
「日本にいますと忘れてしまいますけれど」
 それでもというのです。
「狂犬病ありますね」
「そうよね」
「だから怖いんですよね」
「オズの国ではそうした病気はないわ」
 ドロシーが言ってきました。 
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