| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十六部第三章 学園の理事長としてその四十二

「宇宙に最初からあるな」
「それは」
「どの法律でも宗教でも存在しないな」
「はい」
 由良も答えた。
「それは」
「そういうことだ、決まりとしてはだ」
「そうしたことはない」
「それならだ」
「人工の星やコロニーを首都にしてもいいですか」
「かつてのSFではコロニー群で国家を形成していた」
 スペースコロニーを幾つも集めてだ。
「そうもしていた」
「二十世紀のSFですか」
「そうだった、だからな」
「別に人工の星でもコロニーでもですか」
「首都にしていい」
「そうなのですね」
「大事なのは機能だ」
 これが問題だというのだ。
「首都としてのな」
「人工であるなしではなく」
「それだ、機能が充分でだ」
 それでというのだ。
「国家全体を統治出来ればな」
「いいのですね」
「そうなる、そしてその充分な機能の首都を置く為にな」
「エウロパはですか」
「将来は暗黒宙域にだ」
 そこにというのだ。
「首都を築いてだ」
「エウロパ全体を治めますか」
「そうなる筈だ、特にあの国は中央集権国家だ」
「首都に権限が集まりますね」
「そうした国はな」
 まさにというのだ。
「首都にどれだけの機能が存在し」
「そして何処にあるかですか」
「国家の中心にある」
「それが大事ですか」
「政治そして交通や交易のな」
「中心地であるかどうかであり」
 それでというのだ。
「あの国はだ」
「中央集権国家であるので」
「暗黒宙域の先に領土を得たなら」
 それならというのだ。
「その時はだ」
「首都をあのオリンポス星系から移し」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「万全の統治を行う」
「そうなりますか」
「そしてエウロパ全体を統治する」
 新天地を得たこの国もというのだ。
「そうなる、将来はな」
「ではです」
 由良はその話を聞いてからミルクを飲んだ、それは普通のミルクよりも砂糖で甘くしたものだった。
「我々が再びエウロパと戦争になり」
「あの国の領土に攻め込むとな」
「本土を掌握してもですね」
「そこで勝利で終わるとは限らなくなる」
 連合から見てというのだ。
「その可能性もある」
「左様ですね」
「首都を攻略できれば大きい」
「戦略的にも」
「そうだ、しかしだ」
 それでもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧