オズのエマおばさん
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第四幕その十
「カドリングの赤で奇麗ですね」
「ベッドだけじゃなくて」
それにと言うナターシャでした。
「ソファーもいいですね」
「下は赤絨毯で」
それでという神宝でした。
「素敵なペルシャの模様ですね」
「照明はシャングリラで」
ジョージは上を見ています。
「きらきらしていますね」
「彫刻や絵もありますし」
恵梨香はお部屋の中のそうしたものを見ています。
「本当に宮殿みたいです」
「ここに泊まってなのね」
「わし等はこの街を楽しむんだな」
おばさんとおじさんはまた言うのでした。
「こんなにもてなしてもらって」
「ドロシーには何と言っていいのか」
「何も言わなくていいわよ」
これがドロシーの返事でした。
「私はそうしたくてしているから」
「だからなの」
「言わなくていいんだね」
「そうよ。それでこれからね」
ドロシーはさらにお話しました。
「街に出てね」
「街の観光ね」
「それを楽しむんだね」
「そうしましょう、お昼は食べたし」
そうして満喫したからというのです。
「これからはね」
「ええ、観光ね」
「それを楽しむんだね」
「そうしましょう」
是非にというのです。
「これからね」
「わかったわ、じゃあね」
「街に出よう」
「夜も楽しみにしていて」
この時間もというのです。
「ホテルのディナーだけれど」
「そちらもなのね」
「凄いんだね」
「このホテルのディナーはフォアグラとトリュフが有名なの」
この二つの珍味がというのです。
「凄く美味しいってね」
「そうなのね」
「その二つがなんだ」
「ええ、だからね」
それでというのです。
「夜はね」
「その二つを楽しむ」
「そうするのね」
「他には生ハムとデザートも有名だから」
こうしたものもというのです。
「期待していてね」
「フォアグラやトリュフなんて」
おばさんはしみじみとした口調で言いました。
「見たこともなかったのに」
「それがよね」
「ええ、今はね」
「普通に食べられるでしょ」
「そうなっているわね」
「そこもよ」
まさにというのです。
「変わったのよ」
「オズの国に来て」
「だからね」
「それを楽しむのね」
「そうしましょう、じゃあ街に出てね」
これからはというのです。
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