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オズのエマおばさん

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第四幕その八

「お家が大平原の中にあったから」
「それでだったわね」
「近くにお店もなくて」
「他のお家すら遠かったわ」
「遥かにね。たまに行商人の人が来てくれてだったから」
「そうしたものに困ることもあったわね」
「そうだったわ」
 こうお話するのでした。
「本当に」
「そうだったわね」
「ええ」
 本当にというのでした。
「あの頃はね」
「そうだったわね」
「いや、何かと大変だったよ」  
 おじさんもカンザスにいた頃のことを思い出します、そのうえでドロシーにお顔を向けてお話をするのでした。
「あの頃は」
「そうしたことについてもね」
「竜巻もあったし」
「あれで私はオズの国に行ったわね」
「最初にだったね」
「お家ごと飛ばされてね」 
 オズの国までです。
「そうなったわね」
「その竜巻もあったしあまり獲れない時もあったり」
 畑の農作物がです。
「それでものがない時もあったりして」
「大変だったわね」
「全くだよ」
「そうだったわね、けれどね」
 ここでおばさんはこうも言いました。
「懐かしいわね」
「あの頃もね」
「大変なことも多かったけれど」
「それでもね」
 これがというのです。
「凄くね」
「懐かしいわね」
「大変な時もやがて思い出になって」
 臆病ライオンは今は山菜を食べています、そのうえで言うのでした。
「そしてね」
「いいものになっていくね」
 腹ペコタイガーも今は山菜を食べています、そうして臆病ライオンに応えるのでした。
「そうだね」
「うん、その時はどうなるか」
「本当に心配になるけれど」
「後でね」
「そうなるね」
「オズの国でもね」
 臆病ライオンはこうも言いました。
「そうだね」
「そこは外の世界でも同じだね」
「ええ、カンザスにいた頃は大変なことも多かったけれど」
 ドロシーは臆病ライオンにも腹ペコタイガーにもお話しました。
「それでもね」
「今はだね」
「いい思い出だね」
「そうよ、そして今はね」
「こうしてだね」
「おばさんとおじさんをおもてなししているね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「そうしているわ」
「そうだよね」
「楽しくね」
「今のこともね」 
 一緒に牡丹鍋を食べていることもというのです。
「やがてはね」
「思い出になるね」
「そうなるね」
「そうなるわ」
 こう言うのでした。 
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