星河の覇皇
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第八十六部第三章 学園の理事長としてその三十七
「日没までだ」
「そうなっていますね」
「そして訓練中は軍務がはじまる時間はな」
「日の出からですね」
「まさに日の出から日没までだ」
「軍務に就き」
「訓練を行っている、だからな」
そうした時間になっているからだとだ、八条は由良に話した。また無花果を手に取ってそのうえで言っていっている。
「我々よりもな」
「軍務の時間が長く」
「訓練もな」
「よくしていますね」
「週休二日でもないしな」
このことについてまた話した。
「文字通り月月火水木金金もだ」
「ありますね」
「普通にな、訓練に制限はない」
「東郷平八郎の言葉ですね」
「その通りだが」
訓練に制限はないということはというのだ。
「しかしだ」
「それをですね」
「実際に行った軍隊は少ない」
「その帝国海軍に」
「帝国陸軍もそうだったしだ」
訓練を日々していて精鋭だったというのだ。
「プロイセン軍そしてその流れを汲む二次大戦までのドイツ軍もな」
「非常に厳しい訓練を長時間行い」
「強力だったが」
「今のエウロパ軍もですね」
「同じだ、エウロパ戦役の頃も訓練はよくしていたが」
それでもというのだ。
「今はだ」
「あの時よりも遥かにですね」
「訓練を行い」
そしてというのだ。
「強力だ」
「そのことは覚えておくべきですね」
「彼等は強かったしだ」
エウロパ戦役の時の彼等はというのだ。
「今もだ」
「強いですね」
「そのことは覚えておかないといけない」
「我々の実戦への練度の低さも合わせて」
「そして彼等は誇りもある」
エウロパ軍にはというのだ。
「騎士道のな」
「連合ではよく化石の様に言われていますが」
「化石かも知れないが」
「それでもですか」
「誇りだ、我々にあるものは職業倫理だ」
連合軍の将兵達にあるものはというのだ。
「あくまでな」
「軍人としてのいえ」
「公務員としてのな」
「それですか」
「警察官や消防署員と同じだ」
「命を張ることはあっても」
「それは市民を守ることが仕事と考えているから」
それでというのだ。
「我々はだ」
「これといってですね」
「強い誇りを持っていない」
「あくまで職業倫理ですね」
「警官や消防署員の様なな」
「それはいいものだと思いますが」
由良は無花果を食べつつ八条に話した。
「倫理観は」
「その通りだ」
八条も否定しなかった。
「警官や消防署員もな」
「誇りを持ってですね」
「そのうえでだ」
それでというのだ。
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