政治家も色々
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第三章
「やる時はやるな」
「あの人はそうだよ」
「そうした人もいるんだな、ただ学校の先生あがりで教育がどうとか言う間はな」
この市会議員については眉を顰めさせて語った。
「とんでもない奴だな」
「あの人は評判が悪いんだ」
叔父も否定しなかった。
「昔からな」
「そうなんだな」
「先生だった頃から暴力やセクハラで有名でおかしな団体とつながっていてな」
「その団体の支持受けて当選してるな」
「ああ、仕事もしないで活動家と一緒に動いていて」
そうしてというのだ。
「汚職とかの噂もな」
「多いんだな」
「市役所の人にも桁外れに横柄な態度で底意地も悪くて」
「最低の奴だな」
「そう言っていいな」
「そうした奴もいるんだな、こうして見たら」
自分がいる市の政治家達をとだ、中柳は叔父につまみの枝豆を食べつつ話した。
「本当にな」
「色々だろ」
「ああ」
その通りだと答えた。
「そうだな」
「政治家も人間だからな」
叔父はそれ故にと話した。
「色々な人がいるんだよ」
「俺が思っていた様に屑しかいないんじゃないんだな」
「そう言っていい奴もいるがな」
「間みたいにだな」
「けれどいい人もいてな」
それでというのだ。
「国や地方の為にな」
「頑張ってる人もいるな」
「そこはわかるんだぞ」
「ああ」
叔父にビールを飲みつつ応えた。
「そうしていくな」
「それがわかってくれたらいいさ、政治家も人間でな」
「色々な人がいてだな」
「わかるな、それからは」
「ああ、どんな人か見極めてな」
高柳は自分から言った。
「投票もな」
「していけよ」
「いい人を選ぶといいことをしてくれてな」
「それで政治もよくなってな」
「市や国もよくなるな」
「ああ、だから政治家も色々な人がいることをな」
まさにこのことをというのだ。
「頭に入れておいてくれよ」
「絶対にな」
高柳は叔父に頷いて応えた、そうしてだった。
彼は政治家一人一人をじっくり見る様になった、そして投票する様にもなった。もう政治家は誰もが碌な奴がいないとは絶対に言わなかった。色々な人がいてそのことを知ることこそが大事だと言う様になった。
政治家も色々 完
2023・12・12
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