金木犀の許嫁
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十五話 真田家の人その十四
「私は」
「それがいいですね」
「覚醒剤をしますと」
「覚醒剤ですか」
「破滅します」
絶対にというのだ。
「一本打てば一週間寝ずに動けるといいますが」
「一週間ですか」
「それだけ寝ないで済むとは」
そうなると、というのだ。
「身体にどれだけ負担がかかるものか」
「一週間ですね」
白華はそれだけの日数を聞いて言った。
「そこまで起きられる様にするなんて」
「わかりますね」
「身体にそうさせるんですから」
一週間は寝ない様になるまでにだ。
「しかも一週間寝ないとなると」
「そのことも身体に悪いですね」
「かなり」
「だからですね」
「覚醒剤をすることは」
このことはというだ。
「命を削る様なものです」
「だから絶対にですか」
「してはいけないです」
白華にケーキを食べつつ話した。
「長くは生きられません」
「身体に負担をかけるので」
「そうです、それで私もです」
「ドラッグもされないですね」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「煙草やシンナーもです」
「されなくて」
「こちらです」
自分で自分のグラスに白ワインを注ぎ込んで話した、発泡性のワインなので泡が立っているのが見えた。
「お酒です」
「お酒だけですか」
「はい」
まさにというのだ。
「他のものはです」
「されないですか」
「そうしています、そして」
そのうえでというのだ。
「時々です」
「休肝日もですね」
「もうけています」
「お好きでもですね」
「そうしています」
飲みながら話した。
「私としては」
「節制ですね」
「そのつもりはないですが」
それでもというのだ。
「健康を考えまして」
「そうされていますか」
「左様です、ですが今は」
「飲まれますね」
「あと少し」
こう言ってだった。
幸雄はワインを飲みケーキを食べた、そうして猿飛家に入ったことを四人と共に心から祝うのであった。
第十五話 完
2024・2・23
ページ上へ戻る