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偽マフティーとなってしまった。

作者:連邦士官
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2-4話

「ハサウェイにはコイツに乗ってもらう。」
 巨大なMSそれの名はペーネロペー。いや、何かが違うような?

「大尉、やっと来ましたか。鹵獲したコレを調整しておきました。2機あるEx-sガンダムからIフィールドを取り外して、部品取りをしたサイコ・フレーム機の各所をサイコ・フレームに交換して、頭に装着するサイコミュ・コントローラーとEx-sガンダムのAIを入れておきました。素晴らしい働きができることでしょう。」
 アデレードを一人で破壊できるんじゃない?それ?やっぱり、宇宙世紀の技術者は頭おかしいわ。

「ハサウェイ・ノアにその機体は頼む。俺の機体は?」
 まともなの来てくれよ、ジ・Oとか嫌だからな。と思っていたらHi-νガンダムの前で止まった。よし、まだまともだな。

「これは?」
 Hi-νガンダムだろう。わかるが、どうせトンデモ機構を搭載しているんだろう?

「封印機体のすべてを動員して、マルチロックシステムとALICEシステム、強化人間人格対応型OS、HADES、更にはサナリィから盗んできたA.RチップとC.Aチップを搭載して、増加ブースターにより45分ほどの短時間なら自力で飛行可能にしました。しかし、高い出力により武器はビームライフルではなく、マシンガンとミサイル、ロケット、実体剣付きビームサーベルなどになりました。圧倒的な加速は無理ですが、武装コンテナと接続をすれば大尉の専用機のギャプラン並に動きます。」
 いや、なんであんなマニピュレータが16本もある奴前提で話してるんだよ。やめろよ。あれを動かすのは神経を使いすぎて苛立つんだぞ。お手軽にHADESを積むとか頭おかしいだろ。ムラサメ研究所並におかしいぞ、お前。

「いや、止しておこう。別なのはあるか?」
 ハサウェイが乗りたそうに違法改造Hi-νガンダムを見ているが、ろくな事にならんぞ。止めておけよ。

「これはどうですか?エリオット大佐が改造した機体です。Ex-sガンダムをベースにガンダムステイメンとされる機体などの要素とνガンダムやナイチンゲールなどの機体とガンダムNT-1アレックス等からとられたデータと大尉の戦闘データをフィードバックした補助AIとALICE、強化人間人格対応型OS、GP03とアプサラスの制御システムを組み合わせ、アクシズからもたらされたハマーン・カーンの戦闘データを載せたAIからなる機体です。」
 推進力がおかしいし、ハマーンのデータって‥‥いや、待てよ。こんな補助AIだらけの機体に天パが乗るわけ無いし、シャアだって乗らないだろう。ハマーンだけで乗らないし、サングラスを外さないだろ。

「なるほど、これにしよう。ハサウェイ、そのHi-νガンダムはやめておけ。形に囚われるな。アムロやシャアに囚われるのは違う。ハサウェイ、お前という男は一人の男なんだ。今もこうして自分の意志で立っているのならば虹に消えた二人よりも、立っている生者が尊重されるべきだ。死者が生者を動かしては世の道理に反する。ハサウェイはハサウェイの道を行け。君のような若者が命を落として、それで世界が救われると思っているのか?新しい時代を創るのは、老人や死者ではない!みっともなく泥にまみれようとも卑怯にも最後まで生きている人間が世の中を作るのだ。それを肝に銘じて卑怯なまでに生きて抗ってみせろ、宇宙世紀が創り出したメビウスの輪から抜け出すんだハサウェイ・ノア。」
 だから、もうマフティー絡みをするのを止めてくれよ。新説ができる度に怪文書を見せるんじゃないぞ。インテリの悪い部分が出ているぞ。

 インテリに時間を与えたら、怪文書を作るか、持論レスバをするか、発展させながらも憂鬱になって暴れるか、世捨て人になって世直しと暴れるとか、ろくなことをしないだろう。インテリは、インテリらしくしておけばいいのに。世直しとか利権とか迷惑すぎる。

「だとしても!死者の叡智が、今の生者の叡智を形どっている土台ならば、死者の叡智が生者の中で生き続ける限りは死者は生きています。大尉、だから‥‥違うと言われてもアムロ・レイは生き続けている!親父の中で!だから、大尉も親父とちゃんと話してください!」
 ハサウェイ、なんでアムロ・レイ、アムロ・レイ言ってくるんだ!俺のどこにアムロ要素がある!アムロとシャアの声真似は出来るが披露したことないぞ!シャアの声真似をしてしまって、バナージの耳に入ったら、「ユニコーン!」とか叫びながら大気圏突破してきそうだし。何事も触らないのが一番だ。

「アムロでは無いよ。それに、死者は死んでいなければ死者ではない。死人が蘇っても意味はない。わかってくれよ、ハサウェイ。俺は重力井戸の底の哀れな人形に過ぎない。マフティーを演じる道化だよ。それがアムロ・レイやシャア・アズナブルな訳が無いだろう。」
 はっきり違うと言っているのに、また違うと否定する身にもなれよ。そんなにアムロやシャアが恋しくても止めてほしいわ。

「しかし、大尉がアムロ・レイでは無いという保証にはならない。アムロ・レイ大尉的なものが無ければ、大佐でも無ければ、あのようなことができよう筈もない。俺は‥‥僕はずっと謝りたかったんです。クェス・パラヤについても、チェーン・アギについても‥‥本当は撃墜スコアは‥ギラ・ドーガ1にα・アジールが1でリ・ガズィが1なんです。親父も誰も俺を責めはしない。なら、誰が裁いてくれるんですか!この深い罪を。」
 お前、小説版と映画版ミックスかよ!初期型の予備パーツで出来た調整が微妙なジェガンで、ギラ・ドーガとリ・ガズィとα・アジール倒せているのなら、トップエースだわ!お前、やっぱりニュータイプじゃねーか!

「若さ故の過ちを悔やむのは仕方がないが、死者は生者を操ってはいけない。ララァ・スンのような女ではクェス・パラヤは無いのだから気に病む必要はない。後悔と罪の気持ちこそが贖罪だというのならハサウェイ‥‥もう十分に罪は償っただろう?ならば、前を向いて人々の為に戦うほうが建設的だ。魂が宇宙に帰るのならば、ハサウェイ、その魂を刻み生者として紡いで生き続けるのが残されたものの特権と義務だよ。すべてを救い、自分を救おうとするのはエゴに過ぎない。シャア・アズナブルという男を知っているか、ハサウェイ?」
 お前はブレーキが壊れた暴走している列車に過ぎないと言いたいが、言ったら多分、ハサウェイはそれになってしまう。シャアの失敗を教えてやって立ち止まらせてやろう。カミーユよりカリカリじゃ無ければ、俺もグラサンノースリーブのような面白いだけのエースパイロットでも無いから大丈夫だろう。ハマーンのような女にも好かれてはいないし、ミヘッシャみたいな地雷感がある女もいない。

 いや、自走型地雷の男たちに囲まれてはいる。ケネス、ハサウェイ、キンバレーに様々なタイプの男たちだ。宇宙世紀版体験型BL乙女ゲームをさせられているのか?クッ‥‥ハサウェイ並にモテれば良いのに。トップレスのジュリア・スガとか、ハサウェイ、実はお前恋愛ゲームの主人公だろ。メインヒロインはギギじゃなくてガウマンかケネスかレーンぽさがあるあたりが、ガンダムらしさはある。

「知ってはいますが。」
 いや、知らないだろうな。

「シャア・アズナブルはキャスバル・レム・ダイクンの友人だった。シャトルが事故に遭いキャスバル・レム・ダイクンはシャア・アズナブルとなり変わった。シャア・アズナブルとなったキャスバルはジオンの妾の子であり、ジオンの政治基盤だった令嬢は年老いたから若いキャスバルの母が選ばれただけに過ぎない。これにより、幼少期は正妻からイジメられる。守ってくれたのはザビ家だよ。しかし、ザビ家の権力闘争とジオンの思想闘争がぶつかり、ジオンはザビ家により暗殺された。ザビ家がジオン派を排除して武力闘争に出たわけだ。ジオン・ズム・ダイクンはアスタロスなる生物兵器を開発していたり、平和主義者かは怪しいがな。立派すぎる父親と母親を暗殺され、シャア・アズナブルはザビ家に復讐を企む。」
 ハサウェイは聞き入っている。シャア・アズナブルの話はどうだっていいが、よく聞けよ。

「ガルマ・ザビに近づき地球連邦基地を襲撃させたり、後にガルマ・ザビの死去に関わっている。ガルマ・ザビが生きていたら地球内での指揮系統の乱れは無かっただろう。あの北米で大したゲリラがない辺り、ガルマ・ザビは占領には天才的な才能があったのだろうな。しかしだ。ハサウェイ‥‥キシリアをシャアが殺して、シャアに何が残ったかわかるか?ハマーン・カーンがいる冷たいアステロイドベルトだ。シャアはハマーンに父親を求められた。兄でもあるし恋人でもある。シャアは拒否をした。そして、ハマーン・カーンを捨ててエゥーゴに入った。」
 ハサウェイの顔色が変わる。何かに気づいたようだ。

「それって、クェス・パラヤと同じ‥‥。」
 似たようなものだろうが、クェスとハマーンが戦ったらクェスは即死だろう。グレミーより弱いだろ。むしろ、ラカン・ダカランとかランバ・ラルやレズンと戦っても即死だろうな。

「戦闘マシーンにしたかは知らないが、シャア・アズナブルはそういうことしかできないんだ。自分が両親を知らないからというのもある。ハサウェイ、アムロだって立派な父親が居たが、母親は駄目だった。父親だってガンダムにかまけていた。お前は両親から愛されている。見てみろ。ニュータイプの家庭は幼少期にひどい家庭ばかりだ。ハサウェイ。ニュータイプになれないことに誇りを持ったらいい。ブライトとミライはまともな親だった、とな。シャア・アズナブルとアムロ・レイは戦うしか出来ない戦士の男達だ。今ならまだ間に合う。アムロ・レイやシャア・アズナブルを目指すのをやめたらいい。戦うしかできない人間は、最後まで戦うしかないのだ。」
 ハサウェイに動揺が走ったが、目に光が灯る。一瞬、ハサウェイの瞳に緑色の光が走った気がした。

「親父も一緒です。戦うしか出来ない不器用な人だ。大尉、そんな言い方をされたら、僕も男なのだなと思い上がって自惚れますよ。戦うしか出来ないなら出来なくていい。覚悟がありますよ。親父が見てきたニュータイプ達を、俺も親父に見せてやりたくなった。俺がニュータイプになれれば、親父の『人類をすべてニュータイプに』を体現できる。マフティーとはニュータイプになれないオールドタイプの反抗ならば、マフティーごとニュータイプになれば良い。」
 何言ってるんだこいつ。2発から3発、目を覚まさせるために反撃を許さずに煉獄をやってやろうか?いや、避けられるだろうな。ニュータイプだし、ハサウェイ。

「戦士は辛いが、わかっているのか?誰も理解してくれない暗闇を歩いて炎を背に戦い続けなければならないぞ。その覚悟はあるのか?」
 強めに言っておこう。ハサウェイは優柔不断だから、ここまで言えば‥‥。

「わかっている。大尉、その炎が人類にとってプロメテウスの火になるのを祈るよ。僕は……俺は、目を背けてきた過去と向き合って親父と向き合い、親父と共に地球連邦政府に反省を促すと決めた。大尉、いやマフティー、やってくれるか?」
 お前ふざけんなよ、いい笑顔をしやがって。もう面倒くさくなってきた。

「ハサウェイ。いや、お前もマフティーだろう?やってみせろよ、マフティー。」
 もうヤケクソだ。ハサウェイ、じゃあもうやれよ!

「あぁ、何とでもなるはずだ!」
 プシューとペーネロペーのコックピットを開けると縛られたままのレーン・エイムがいた。お前、そのまま放置されてたのかよ!

「お前ら!アレはガンダムだと!」
沢山いるガンダムに驚いて縛られながら腰を抜かす器用な男だ。

「連邦軍所属のアナハイムのガンダムでアナハイムを倒し、連邦軍とアナハイムに反省を促してやるさ。マフティー、見ていてくれ。親父にニュータイプと認められるようなマフティーを見せてやる。」
 好きにしてくれ。俺はそこのレーン・エイムをどうするか考えたが、阿頼耶識システムやコズミック・イラ的な優しい手段しか思いつかなかったから辞めておいた。流石に非人道レビル派みたいな手段すぎる。

「わかった、ハサウェイ。ところで、そこにいるレーン・エイム。お前は捕虜だから拘束する。拷問などはしない。ここは地球連邦政府とは違うからな。整備兵!彼を保護してやれ。」
 連行されるレーン・エイムを尻目にふともものホルスターから銃を引き抜き、壁側に向ける。顔は合わせないでそのまま、やつを狙う。

「物騒なものを持っているな、ガウマン・ノビル。君はどちらの人間なんだ?」
 ハサウェイの顔が険しくなる。うん、これは‥‥もう一方の手で銃を構える。

「そっちはエメラルダ・ズービンだな。何の用だ?反地球連邦政府運動マフティー。トチ狂って友達になりに来たにしては立派な銃だが、俺の拳銃とそっちの小銃。どちらが勝つかは明らかだな。」
 俺が負けるだろう。明らかに。

「やめろ、二人とも。大尉の言う通りだ、無駄死にするぞ。大尉に勝てはしない。俺は自分の意志で、今ここにいる。」
 いや、勝てるわけ無いだろ。いい加減にしろよ。だから怪文書を書く羽目になるんだぞ。

「ハサウェイ!脅されて書いたんじゃないのか!あんなに100行以上も意味不明なマフティー文法を書いて。じゃないと、マフティーはなんだと言うんだ!」
 俺が一番知らねーよ!ガウマン!




 
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