八条学園騒動記
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第七百四十七話 サチェル=ペイジその十一
「それもだ」
「少ないわよね」
「何百人の中でな」
それだけのピッチャーがいてというのだ。
「一人だな」
「そこまで少ないのね」
「そうしたものだからな」
「六百勝利になると」
「連合が出来てな」
そうしてというのだ。
「連合中で野球が行われる様になってな」
「それでなのね」
「それだけだ」
まさにというのだ。
「本当にな」
「少ないのね」
「数人ね」
「二百年に一人位でな」
それだけの割合でというのだ。
「出るな」
「滅茶苦茶少ないことはわかったわ」
アンにしてもだ。
「私も」
「そうだな」
「イスラエルでも野球盛んでね」
「スポーツもしているな」
「体を鍛えることはね」
このことについてはというのだ。
「別にね」
「タブーはないか」
「そうなの、だからね」
「スポーツは盛んか」
「堕落は駄目でも」
そうみなされる様な遊びはというのだ。
「けれどね」
「それでもスポーツはいいんだな」
フランツが問うてきた。
「そうなんだな」
「そう、スポーツや学問はね」
「そちらには励んでもいいか」
「幾らでもね、あとお仕事もね」
「励むことか」
「そうしたことは安息日をもうけて」
そしてそれを守ってというのだ。
「やっていけばね」
「いいんだな」
「だから野球もね」
こちらもというのだ。
「盛んなのよ」
「そうなんだな」
「スポーツ全体がそうで」
イスラエルではというのだ。
「それで強いわよ」
「そういえば国際試合でもよく勝っているな」
「大会でもでしょ」
「ああ、国際大会でもな」
「本当にスポーツは問題ないから」
イスラエルひいてはこの国の国教であるユダヤ教ではというのだ。
「だからね」
「それはいいか」
「そうなの」
こうフランツに話した。
「これがね。ただ我が国でも六〇〇勝投手は」
「出ていないか」
「確かね」
「連合全体で数人だからな」
「それでなのね、五〇〇勝投手はいるわ」
ここまで達成した人はというのだ。
「それでサイ=ヤングって言われてるわ」
「メジャーで五〇〇勝達成したな」
「伝説の大投手だな」
「それかコーファックスの再来ともね」
その様にもというのだ。
「呼ばれてるわ」
「二十世紀のメジャーの人か」
「サウスポーだったな」
二人もコーファックスがどんな人か知っていてすぐに応えた。
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