八条学園騒動記
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第七百四十七話 サチェル=ペイジその九
「思うな」
「どのチームでもね」
「大谷翔平さんもな」
この時代でも大谷さんと愛称で呼ぶ人が多い。
「そうだったがな」
「サチェル=ペイジもよね」
「いてくれたらな」
「そのチーム優勝出来るわね」
「そのチームにそれなりの戦力が他にあるならな」
「それね、戦力はね」
その人以外のとだ、アンもそれはと言葉を返した。
「その人だけだとね」
「まだ足りないな」
「野球はチームでするものよ」
タムタムにきっぱりとした口調で述べた。
「もうこのことはね」
「絶対のことだな」
「サッカーもラグビーもアメフトもだけれど」
「団体競技はな」
「一人だとね」
それならというのだ。
「とてもね」
「勝てないな」
「幾ら一人のピッチャーが力投して」
それも連日だ、実際稲尾和久という大投手がシーズン四十二勝を挙げてもそのシーズン彼が所属していたに私鉄ライオンズは優勝していない。
「勝ち続けてもね」
「他のピッチャーが負けるとな」
「どうしてもね」
「勝てないな」
「優勝出来ないわ」
「そうだ、だからな」
その為にというのだ。
「サチェル=ペイジや大谷翔平は確かに凄くてもな」
「他の人も必要ね」
「それが野球だ、ただな」
「ただ?」
「そんな選手はチームの柱になる」
例え優勝出来ずともというのだ。
「間違いなくな」
「戦力になるのね」
「そしてだ」
戦力としての柱になると共にというのだ。
「精神的にもだ」
「柱になるのね」
「そうなると絶対的なな」
チームのというのだ。
「柱になる」
「そうなるのね」
「実際大谷さんはそうなっていたな」
フランツは彼のことを話した。
「何しろ投げて打つんだ」
「プロ野球でね」
「学生野球でもかなりだが」
四番ピッチャーがある世界だ、学生野球は。
「プロでそんな活躍はな」
「大谷さん四番ピッチャーだったの」
「いや、大抵三番でな」
尚日本で一番ピッチャーとして出場し初球プレイボールホームランという現実離れした記録も残している。
「投げない時は指名打者だった」
「そうだったのね」
「そしてこんな人だったからな」
大谷翔平という選手はというのだ。
「タムタムが言う様にな」
「精神的な柱でもあったのね」
「そうだった」
「じゃあサチェル=ペイジもそうなっていたわね」
アンはここでまたこの人物のことを思い出して話に出した。
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