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金木犀の許嫁

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第十二話 驕る平家は久しからずその十三

「そうだったのよ」
「そうですか」
「長池さんは衰えじゃなくて」
「守らなくなってですか」
「そのせいでね」
「本当に守ってですね」
「調子を取るタイプだったのよ」
 そうだったというのだ。
「だからね」
「そこをわかることですね」
「まさかだったと思うわ」
 真昼は白華に考える顔で話した。
「長池選手もね」
「守っていないと打てないなんて」
「守備はね」
 長池のそれはというのだ。
「お世辞にもだったから」
「そうしたレベルだったんですね」
「バッティングは凄かったけれど」
「守備は全然で」
「だから指名打者に最適だったけれど」
「守らないとですね」
「それで調子というかリズムね」
「そうしたものを取るタイプの人で」
「急に成績落ちたのよ」
 指名打者になった昭和五十年からである。
「これがね」
「それまでは凄くて」
「そうだったの。こうした一人いるし」
 それでというのだ。
「こうした場合はもう守備よくなるしかないけれど」
「自分のタイプを知ることですね」
「多分夜空ちゃんは運動しなくてもお勉強はかどるわ」
 そうしたタイプだとだ、自分の妹を見て話した。
「それで佐京君はね」
「運動してこそですね」
「はかどるタイプなのよ」
 佐京自身に話した。
「そうなのよ」
「そうですか」
「白華ちゃんもね」
 あらためて彼女に話した。
「奏したことをね」
「見極めることですね」
「大事なことはね」
 まさにというのだ。
「そうだと思うわ」
「そうですか」
「それを見極めると」
「お勉強の成績も上がりますね」
「ええ、ただ運動したらね」 
 真昼はこうも言った。
「それでストレス解消するから」
「身体を動かして」
「気持ちがすっきりすることは事実だから」
 その為にというのだ。
「お勉強にいいことは確かね」
「そうですか」
「それは言えるわね」
「そうですか」
「だから運動はいいことよ。身体を動かすことはね」
 運動に限らずとだ、先程の妹との会話を思い出して話した、そうしてその妹を見てそのうえでさらに言うのだった。
「それだけでね」
「いいですね」
 白華は笑顔で応えた。
「本当に」
「健康にもいいし」
「悪いことはないですね」
「だから私もね」
 真昼は自分のことも話した。
「これからもね」
「汗をかいていきますね」
「そうしていきたいわ」
 笑顔で言うのだった。 
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