スーパー戦隊超決戦
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第十話 東京だけでなくその七
「是非な」
「ええ、本当にね」
「今は五ゲーム差だったと思うが」
それだけのゲーム差が開いているがというのだ。
「しかしな」
「それでもね」
「油断をしてはならない」
「若し三連敗したら」
どうなるかとだ、エスケイプはギルに話した。
「二ゲーム差よ」
「差がかなり縮まるな」
「そうなるからよ」
「油断は出来ないな」
「決してね」
「ったくよ、胴上げまで安心出来ねえな」
牙鬼萬月は苛立たし気に言った、彼も観戦していたのだ。
「五ゲーム開いていてそれでもなんてな」
「全くだな、だが俺達は選手ではない」
ギルは牙鬼にこのことを話した。
「だから出来ることはだ」
「応援だけだな」
「何なら球場に足を運んでだ」
そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「試合を観ることだな」
「そうだ、そして若し球場でだ」
応援に来ているそこでというのだ。
「ゴーカイジャー達戦隊の奴等と出会ってもだ」
「戦うなっていうんだな」
「無粋なことはしないことだ」
ワインを飲みつつ言った。
「それよりもだ」
「紳士的にだな」
「そうだ」
まさにというのだ。
「応援をしてだ」
「他のお客さんのことを考えてか」
「黙って去ることだ」
球場からというのだ。
「他のお客さんにもチームにもだ」
「迷惑はかけないことだな」
「観客席も他の施設も戦う場所ではない、グラウンドもだ」
そちらもというのだ。
「戦う場所か」
「野球をする場所だね」
ヨドンナが言ってきた、見れば阪神の帽子に法被に身を包みメガホンまで持っていてかなり本格的である。
「そうだね」
「そうだ、だからだ」
ギルはヨドンナにも答えた。
「球場を出てだ」
「そこで戦うことだね」
「そうすることだ、そうでないとだ」
ギルは強い声で言った。
「応援する資格はない」
「阪神にしても」
「そうだ、だが確か貴殿は愛知県に縁がなかったか」
「そういえばそうだったな」
テッキュウはギルの今の言葉に気付いた。
「ヨドンナはな」
「そうだけれどね」
ヨドンナ自身否定しなかった。
「僕あちらに縁があるよ」
「そうだよな」
「それだと応援するのは中日だよね」
「そうなる筈だ」
「けれど今の僕はだよ」
阪神グッズに身を包んだまま言うのだった。
「阪神を応援したいんだ」
「そうなのか」
「観ていて楽しいからね」
「はい、阪神は素敵なチームです」
ナリアも阪神グッズに身を包んでいる、そのうえで言ってきた。
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