人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
97話 しぶといZombie
前書き
⭐︎ガシャコンナーガスラッシャー
武器ボイス:Aqours
Aqoursとの契約が生み出した最強の強化ガジェットにより誕生したキースラッシャーの強化版。
キースラッシャーから存在している9つのキーボードは、9色に彩られ、押すことで特殊攻撃を実行する。その威力は所有者の能力とともに指数関数的に増大する。
みかん色→相手への絶対的な貫通攻撃能力
サクラピンク→電気及び電磁的な能力
エメラルド→生物の操作及び創造能力
レッド→超自然的な火の能力
ライトブルー→超自然的な水の能力
ホワイト→超自然的な風及び空気の能力
イエロー→超自然的な土系能力
ヴァイオレット→毒をはじめとした超化学能力
ピンク→空間操作能力
「うーん、イフトくんだっけ?」
「あぁ。」
「君が才くんの何だって?」
「才ではない。神の裏だ。すなわち私こそが裏の神ぃぃ……!」
「あっ(察し)。はぁ〜」
伊口邸に戻った俺たちはイフトと名乗る長い銀髪の男に尋問を仕掛けたのだが……
千歌は全てを読み切ってしまったのか、イフトの問答に対してしらけた表情をする。
そしてこう宣言した。
「確かにこの人は才くんの分身みたいな人です。この頭のおかしさは同類です。」
「「異論なし。」」
「うん、なんで?」
曜と果南の同意に俺はツッコミを入れる。しかし千歌そのツッコミにすら突っ込む。
「え、まさか———自覚ないの?自分が善子ちゃんにも負けず劣らずの厨二だって。」
「いやアイツほどは……なぁ?」
「いや私に降るな厨二サイコパス。」
「厨二サイコパスって。」
酷すぎだろ……俺昔からこんな風に思われたんだ心外だぜ。
すると虎太郎がイフトに問答を始める。
「イフト、とりあえず聞きたいが……お前は何なんだ?俺の影ってどういうことなんだ?」
「以前、小原兆一郎がジャックライズして抽出した君のデータのことは覚えているな?」
「あぁ——あの時の。」
「君のデータを元に作られたバグスターウィルス……君へのメタ対策としては失敗に終わったそのウィルスは強烈な自我を持ち———この私が生まれたというわけさ。」
「つまり……才第二号ってこと!?」
「類人猿でもわかるように言えばそうなるね。」
思考を巡らせている俺と『ようちかなん』に、イフトは愚痴のようなものをこぼす。
「まったく、君たち夫婦の人使いの荒さには困ったものだ。だが、コレでようやく解放されて……」
「「「「夫婦?」」」」
その単語が出た瞬間。
虎太郎の目が赤く輝き、イフトを俺たちのいる部屋から別室……虎太郎らの寝所へと移動させる。
虎太郎は再び原初の天使 アトエルの状態へと移行したのだ。
「お前の言う『才』ってのは、もう一つの意味——ハイパーロード/ムテキ様のことも言っているんだろ?」
「そういうことさ。」
「先程の軽率な発言はやめてもらおうか……俺たち従者が神の怒りを買うことになる。」
「ほう?さては怖いのか?」
「いくらあの御方たちの結末は同じとはいえ、この世界の結末は大きく変わることは大いにあり得ることだ。そのバッドエンドに至った場合に今の俺たちに下される神の怒りを怖くない奴など全次元、全世界線を探してもいるわけがない。」
アトエル状態の虎太郎の淡々としていながらも静かな怒りに、イフトも反論はせずに甘んじる。
「ま、確かにそういうことは興ざめだなぁ。」
「……まさか、あの御方直々に自らの力の一部を送ってくるとは。」
「フフフ……思い知らせてやるさ。この私の才能が時代をも変えるとな!!」
—————※—————
ここは富士樹海遺跡……邪神として降臨したナムロドに、とある1人の男が訪ねてきていた。
「最後のアンドロイドも出奔とは、ナムロド様もお労しい。」
「もともと彼らには期待していません……それに、鍵は回収済み———すでに異次元のポータルも開きました……もはや鍵すら用済みですw」
ナムロドは邪悪な笑顔で余裕を崩さない。その様子を見た男は別の話題に移る。
「さて……そろそろ頃合いだ。私も全力でお仕えいたしましょう。」
「おや———それは願ってもいませんでした。」
「もうオハラエンタープライズもアイツらへの敵対姿勢はやめた……全ては殺人兵器たるライダーシステムの更なる向上のためですよ。」
「素晴らしい———ともに刺激的な世界をつくろうではありませんか。」
ナムロドは嬉々として手を取り合った。
「さてと……そろそろ1人目が復活しますか。」
棺が————動いた。
—————※—————
『もう直ぐで俺は自由の身だ。』
「何だと————」
『だが皮肉なもんだな。オリジナルの俺たちの関係とほぼ逆転しちまうとはな。』
『もっとパワーを上げていけ……!それが俺の————』
〜〜〜〜〜
竜介は夢から覚醒する。
どうやら車に揺られたことで睡魔に襲われたらしい。隣に座っていた運転手の魁は呆れた様子で話す。
「車に揺られてのうたた寝とは図太い男だな竜介先生。」
「あぁ……」
すると後部座席の、仮面ライダーウォズこと黒地祝が話の火蓋を切った。
「しかしあのイフトという人物は気になるところだね。彼と虎太郎君の話が本当なら、彼もまた相当な実力者であることが伺える。」
「ということになるな……腹立つ!」
魁は感情をストレートに口に出す。
魁と俺はライバル……これは魁の勝手な思い込みかもしれない。だがこの思い込みこそ小原魁という男を更なる上のステージへと導く。
伊口才とはAqours⭐︎HEROESの北極星———揺らぐことはなくとも、皆を未知の領域へと導く存在なのだ。
するとここで伊口邸の俺の映像通信が入る。魁はその通信に応答した。
【よ、お前ら久しぶり。】
「才、今そっちに向かってる。」
【でもまだ数時間かかるだろ?そのうちに調査結果を聞いておこうと思ってさ。】
「あぁ、了解。」
魁は運転しながらも、出張によって得られた調査報告を行う。
「まず結論から言うと……神石と地殻変動の因果関係は直接的にはない。」
【そうか……】
「で、こっからが重要だが———かなり離れた宇宙空間において、6つの高エネルギーの怪人かライダーの反応が見られた。おそらくは神石のエネルギーだろう。」
【力を蓄えているのか?】
「その可能性は考えられる。そしてその高エネルギー体の一部は自律意思を持っている可能性もな。」
【ナムロドの野望は神石の全入手によるイーヴィルガントレットの完成。逆に言えば俺たちが神石を一つでも多く回収しちまえば、俺たちの勝率はぐんと上がる。】
「わかってるさ。」
魁は俺に話を早く進めさせるよう態度に出した。
「で、その高エネルギー反応の1つがあと数日でこの周辺に降り立つ。」
【わかった……ではまた後で。】
俺が通話を切ろうとした————その時。
ドガアアアアアアン!!!!!
車の前を爆発が通り過ぎる。
魁は慌てて、ブレーキを踏んで路駐する。幸いなことに人通りのない道路であるので、迷惑になることもないだろう。
【どうした!?】
「どうも来客のようだぜ。」
その言葉を放った竜介を筆頭に、車を降りて爆炎の正体を確認する。
その正体は———6枚の羽根を持った漆黒の戦士。
その姿に、ドライブカメラから見る俺には見覚えがあった。
【まさか……!】
「私はロード・オブ・クロウが1人……アシュク。闇の大帝たるナムロド様の忠実な僕である。」
「!!!!!」
復活していたのか———いやもはや時間の問題であったのかもしれないが、少しタイミングが悪い…!
【ロード・オブ・クロウは1人1人が一騎当千だ!この場合逃げる……わけないよな。】
「当然だ。行くぞ竜介先生、祝!!」
「「ああ!!」」
【ガブリ!】
【グレートクローズドラゴン!!】
【ウォズ! アクション!】
【Are you ready?】
「「「変身!!!」」」
【Get GREAT DRAGON! Yeahhh!】
【仮面ライダーウォズ!ウォズ!】
仮面ライダーダークキバ、仮面ライダーグレートクローズ、仮面ライダーウォズへと変身を完了する3人。
アシュクは得手であるレイピア2本を手に取る。
「我が剣技は神速……そのスピードを見切れる者はいない。」
「「「!!!」」」
3人が一瞥した瞬間にその姿は消え……一閃を喰らっていた。むしろその一閃を気づく方が遅く感じるほどに。
背後に回ったアシュクは、最後尾にいたウォズに焦点を定め、目にも止まらぬ速度でレイピアを刺しまくり、あまりの速度から発生した風圧にウォズは大きく吹き飛ばされる。
「ぐっ…」
「祝!!」
「ダメージがデカすぎる!絶対攻撃させるな!」
ダークキバは紋章型の結界を飛ばして動きを拘束しようとする。
しかしその結界より早くアシュクは動き、レイピアによる連続高速刺突をダークキバに繰り出す。
ダークキバはザンバットソードでその突きをキャンセルさせる。幸いなことにダメージは通っていない。
「生憎、俺は攻撃にはめっぽう強くてね——!」
「ほほう、コレは相性が悪い……ならば。」
「!!」
アシュクはターゲットをクローズに変えて、突撃する。
クローズは神速のスピードを目で追えていた……が。
「ぐっ……」
「竜介先生!!」
瞬間移動したかのように……『時がスキップされた』ように、アシュクはクローズの背後に回っていた。
そのまま神速の連続突きを繰り出す。
「フハハハハハハ……!」
「ぐわあああああああ!!!」
あまりの突きに変身が解除され、竜介は力なくその場に倒れ込む。
その様子をアシュクは嘲る。
「まさかあの男の仲間たちがこの程度の雑魚とは、この上ない期待はずれだ。」
「くそっ……!」
「その悔恨に満ちた顔を貼り付けてあの世に逝けっ!!!」
竜介の背にレイピアが後数ミリで到達する……その瞬間。
アシュクのレイピアは異物を突き刺していた。
「何……?」
「『はぁっ!!』」
「!!」
赤いスライム状の物体が竜介の背を保護したかと思うと、突如として立ち上がって、赤い衝撃波を伴った拳がアシュクにクリーンヒットする。
竜介の瞳が妖しく紅に光る。そして……ビルドドライバーに異変が起きる。
【エボルドライバー!】
ビルドドライバーと構造は同じながらも、地味なそれと違って派手な色の上位互換の存在———エボルドライバー。
祝はその状況を朧げながら察した。
「竜介君…!」
【ドラゴン! ライダーシステム!】
【エボリューション!!】
グレートドラゴンエボルボトルとライダーシステムボトルをそれに差し込んで、レバーを回す……が。
変身には至らない。
「『やっぱりダメか……!』」
エボルドライバーはビルドドライバーへと戻り、竜介は再び気を失ってしまう。
だが———この男がやってきた。
「随分と面白いことをしてくれるじゃないか。」
「お前は……!」
「イフト———仮面ライダーゲンム。」
名乗りをあげたイフトはゲーマドライバーを装着。そしてガシャットを起動。
【マイティアクションX!】
【デンジャラスゾンビ!】
デンジャラスゾンビ……おそらく俺の自室から勝手に持ち出したのだろう。だがあまり使う機会がなかったので、ちょうどいい実験にはなる。
イフトは両手に持ったガシャットをクロスさせる。
「グレードX-0…変身!」
【ガシャット!】
【ガチャーン! レベルアップ!】
【マイティジャンプ!マイティキック!マイティーアクショーン……X!】
【アガッチャ!デンジャー・デンジャー!デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビィ…!】
前に変身したアクションゲーマーのゲンムとはかけ離れた、白と黒を基調とする骸骨のような禍々しい姿。割れてオッドアイになったバイザーや左右非対称の装甲は、ボロボロになったゾンビを想起させる。
仮面ライダーゲンム ゾンビアクションゲーマー……レベルX-0!!
「ふふふ……ブゥン!」
奇声を発して攻撃を開始するゲンム。ゾンビのような予測不能な動きで殴りかかろうとしたが……
「くだらん。」
「!!」
雷霆の如く動いたアシュクは、そのままゲンムを2本のレイピアで突く。
だが———コレはゲンムの狙い。
「ハッハッハッハ!!取ったー!!」
「!?」
「マイティアクションXオリジン…このガシャットの力は無の力!私に触れられると——強者ほどにその力が衰えるゥ!!」
ゲンムの言葉通り、アシュクの全ステータスがこの場のライダー全員に見える形で激減し始めた。
流石のアシュクもゲンムを足蹴にして突き放す。
「雑魚如きが———一瞬で吹き飛ばしてくれる!!」
次の瞬間。
目にも止まらぬスピードでの突進がゲンムに繰り出される。その速度は嘘偽りない亜光速での質量を伴った突進。
この一撃はゲンムのライフゲージを……ゼロにした。
【GAME OVER!】
ゲンムが紫の粒子となって……消滅した。
「ゲンム!!」
「「「死んだぁ!?」」」
アシュクは鼻で笑う。
「あっけない最後だ。」
だが………
「フハハハハハハハ!!!」
高笑いがあたりに響いた。
後書き
ゲンムという仮面ライダーが完全に死ぬわけないんだよなぁ。
ページ上へ戻る