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ドリトル先生と不思議な自衛官

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第十二幕その四

「高層ビルもなかったわね」
「本当に今の日本とは全く違う」 
 先生は皆にもお話しました。
「そうしたものだったんだよ」
「あの頃の日本は」
「明治の頃の」
「日露戦争の頃は」
「そうだったね」
「そう、そして」 
 それにというのです。
「今の日本があるのもね」
「明治の日本があってこそ」
「そして日露戦争があったから」
「それでだよね」
「というかね」
 王子もいます、それで言うのでした。
「若し日本が負けてロシアになっていたら」
「僕達も今日本にいないしね」
「日本はソ連になっていたかも知れないね」
「そうなっていたらね」
 先生は王子にもお話しました。
「ロシア革命やホロドモールや大粛清があって」
「第二次世界大戦だってね」
「一体どれだけの人が犠牲になっていたか」
「わからないね」
「少なくとも今の生活はね」
 それはというのです。
「送れなかったかもね」
「そうだよね」
「そう考えるとね」
 それこそというのです。
「日露戦争に勝ってね」
「よかったね」
「勝ったことになっているって言う日本の小説家さんもいるけれどね」
「勝ってるよ」
 王子はきっぱりと言い切りました。
「もうね」
「そうだね」
「誰がどう見てもね」
「確かに犠牲も戦費もかなりだった」
「あそこでアメリカの仲裁に入ってもらわないとわかわなかったね」
「そんな勝利だったけれど」
 それでもというのです。
「勝利だったことはね」
「事実だね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「このことはね」
「言うまでもないね」
「それを貶めてね」
「そんなこと言う人はおかしいね」
「この人のその本は他にも日本を散々貶めて罵っていて」
 そうなっていてというのです。
「ネット上で問題になったよ」
「そうだよね」
「もうその出来は」
 作品としてのそれはというのです。
「最低と言ってよかったとね」
「最低なんだ」
「学生さんが授業の合間に大学ノートに書いた様な」
 そうしたというのだ。
「そこまでの出来だってね」
「言われたんだ」
「問題は作家さんが書いたんじゃなくて」
「ちゃんとだね」
「そこまで酷いってね」
 その様にというのです。 
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