神々の塔
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第六十四話 終わらないものはないその五
「ほんまに」
「では幾つからだ」
「そうですね、大学からでしょうか」
「結婚は何時からだ」
「就職してからですね」
「遅いな、まあ人の世はそうしたものになっているか」
ヘラクレスはここまで聞いて納得した。
「そうか」
「そういうことで」
「よくわかった、ではお前さん達のペースで進めるのだ」
「そうします」
「ではわし等は見守る」
「そうしてくれますか」
「ああ」
まさにというのだ。
「これからもな」
「そうですか」
「わし等に勝ったことは忘れるな、神霊に勝つことはな」
それがどういったことかもだ、ヘラクレスは話した。
「それだけの大きな力があるんだ」
「その力をですね」
羅が応えた。
「世界を救う為にですね」
「使えよ」
「わかりました」
確かな声でだ、羅も他の面々も頷いて応えた。
「そうさせてもらいます」
「それじゃあな、それでやがてはな」
「お姉ちゃん達とですか」
「ああ、女の子はお兄ちゃん達とな」
ヘラクレスは綾乃とシェリルを見て羅に話した。
「それでそっちの趣味があったらな」
「同性愛もですね」
「楽しめよ」
「そうしてええですか」
「わし等の考えだとな」
同性愛もというのだ、古代ギリシアではむしろ同性愛の方が多かったと言われている。それは神話にも出ていて同性愛の話が普通に書かれている。
「そっちもだからな」
「そうですか」
「まあそれぞれの趣味でな」
「そうしたことも楽しめばええですか」
「そのことも言っておくな」
見守りつつとだ、こう話してだった。
ヘラクレス達は一行が宿屋に行くのを見守って笑顔で見送った、一行は宿屋に入るとまずは風呂に入った。
それから宴となったが大きな熊肉に塩胡椒をかけてだった。
焼いたそれにかぶりついてだ、羅は言った。
「この味と固さがな」
「ええな」
施も熊肉を食べつつ言った。
「熊肉は」
「匂いがするけれどな」
「その匂いもな」
「美味さがわかるとな」
「ええな」
「美味そうな匂いになるわ」
「ほんまな、それでな」
施八艘の中にある熊の内臓を焼いたものを見つつ羅に話した。
「内臓もな」
「しっかり食べんとな」
「食べられる部分はな」
「絶対に食べることや」
羅は強い声で言い切った。
「ほんまな」
「そうやな」
「掌もな」
トウェインは熊のその部分の話をした。
「食わんとな」
「あの、掌ですが」
ここでだ、宿屋の料理人が言ってきた。ゴブリンであり古代ギリシアの服を着ている大柄な中年男である。
「まさかです」
「まさか?」
「食べられるとはです」
トウェインに話した。
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