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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜

作者:カエサル
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ALO編ーフェアリィ・ダンス編ー
  22.世界の中心・アルン

 
前書き
第22話投稿!!!

ついに到達する世界樹!!
 

 


アルヴヘイム・中立域・央都・アルン

「わあ...........!」

街全体が光に包まれ思わず言葉が洩れてしまった。

「..........世界樹.........」

「.........ついに.....来たんだな......」

シュウくんとキリトくんが上を見上げ、声を洩らす。

「うん.......間違いない.......ここがアルンだよ。アルヴヘイムの中心、世界最大の都市」

「ああ。........ようやく、着いたな」

「長いような短いような.......」

頷いたキリトくんの胸ポケットからユイちゃんが顔を出す。

「わたし、こんな大きな街に来たの初めてです」

「あたしも........鉱物塔の光がまるで星屑みたい......」

ゴーン、と低い鐘の音が響き渡りアナウンスが響き渡る。

『本日、一月二十二日午前四時から午後三時まで定期メンテナンスのためサーバーがクローズされます。プレーヤーのみなさんは十分前までにログアウトをお願いします』

アナウンスがもう一度繰り返される。

「.......今日はここまでみたいだね。一応宿屋でログアウトしよっ」

大きめのあくびと伸びをする。それもそのはず、昨日から潜っているせいで疲労はもうそろそろピークを迎えている。

「........ああ....」

シュウくんとキリトくんは世界樹の上の方をじっと眺めている。特にキリトくんはものすごく思い表情で........

「さ、宿屋を探そうぜ。俺も素寒貧だから、あんま豪華じゃないとこがいいな」

「そうか..........金がないの忘れてた」

「.......イイカッコして、サクヤたちに全財産渡したりするからよ。宿代くらいとっておきなさいよね」

二人ともさっきの表情とは違い笑顔で頭を掻く。

(やっぱり、この二人はこっちの方がシュウくんたちっぽいよね)

「パパはああ言ってるけど、近くに安い宿屋ある?」

ユイちゃんに聞くと、少し間を開ける。

「........あっちの降りたところに激安のがあるみたいです!」

「げ、激安かぁ........」

引きつるような笑顔のあたしに構わず、シュウくんとキリトくんは歩き出す。

「ほら行くぞ」

「はぁ〜、眠ぃ〜」

「あっ、待ってよ、シュウくん、キリトくん」

アルン入る寸前で止まりもう一度世界樹を見る。




目の前に広がる見慣れた天井。俺は頭を覆うヘルメット状の機械..........ナーヴギアを取り外しベッドから起き上がる。

時刻は3:48を指す。
約二十四時間ぶりの現実世界だ。

疲労感がたまりすぎていたせいか、俺はそのままいつの間にか意識を失っていた。次、起きた時には、時計は11:26を指している。

「やばっ!」

さすがに慌てて起き上がり、シャワーを浴びに下の階に降りるが親は、帰ってきていない。というか、親は父も母もほとんど家に帰ってくることはないので俺的には楽だが、世間から見たら俺は見捨てられたように見えるが、俺の両親は俺がSAOから帰還した時も帰ってきた俺を見て泣くことはなかった。
だが、あとで病院の看護師さんから聞いた話によると両親は毎日毎日、交代交代で俺の病室に来てくれたのだと聞いた。今も両親は俺が大学に通えるように金を貯めてくれているのだ。

だから、俺は普通に勉強して普通の生活を送るのが親に対する恩返しなのかもしれないが、今はアスナを.......キリトを助けるのが今の俺がやるべきことだ。

しかも、両親は俺がナーヴギアをもう一度被っていることを知っている........が、両親は、好きなようにやれ、とその一言だけであとは何も言わない。

シャワーを浴び終わり服を動きやすい、ジャージに着替え竹刀と竹槍を持って外に出た。
右手に竹刀、左手に竹槍を持ち、ALOプレーヤー、シュウの時のように武器を構える。

二本の武器を振るいながら少し考え事をする。

(あの時の感覚は一体なんだったんだ?)

あの時の感覚とは、トンキーを助ける時に三面巨人の武器を奪い放ったあの感覚。あの巨剣を振るった時、異常なまでに剣が軽く感じ、あの距離を一瞬で詰めたあの感覚.........俺の知る限りあの感覚は.........ソードスキルだ。

多分だが、あの時、俺が放った技は両手剣単発重突進技《アバランシュ》だと考えられる。

なぜあの時、ALOで存在しないソードスキルを使用することができたのか、疑問が残る中、俺は二本の武器を振るい、いつもの癖で竹刀と竹槍を背中に背負うような形をとり、乱舞をやめる。

続けて竹槍を床に置き、竹刀を通常の剣道の持ち方で持ち振るう。ALOで剣道の技術を活かすことは難しい。出来て、鍔迫り合いからの打ち込みや各種の面、胴、小手、突きを正確に射抜く技術が使えるくらいだ。
仮に剣道の手練れのプレーヤーが剣道の技術のみを使ってALOに潜ったとしたら、そのプレーヤーは強くなるかといえばそうではない。一対一のデュエルのような対戦では強いかもしれないが、ALOの手練れのプレーヤーと剣道の手練れのプレーヤーが戦ったのだったら、間違いなくALOの手練れのプレーヤーが勝つだろう。いうならば、現実世界で俺と直葉が戦っても俺は勝てないが、ALOで直葉と戦えば勝てるということだ。

つまりは、あの世界で戦うには固定された技術では勝てない。あらゆる技術を活かすことをしなければあれを攻略することは出来ない。なぜ急にこんな風に剣道の技術や二本の武器を振るう技術について考えるかというと、もうすぐメンテナンスが終わり俺とキリト、そしてリーファは再び出会い攻略不可能と言われているクエスト..........《グランドクエスト》に挑むこととなる。

グランドクエストの攻略条件に他種族同士で攻略しなければならないというクリア条件があるならそれは問題にはならない。他のクリア条件があるなら、俺たちはただ死にに行くだけとなる。だが、俺とキリトは無謀であっても向かうだろう。例え、クリア不可能でも、俺とキリトが諦めることはないだろう。

考え込んでいるうちに時刻はもうすぐで三時を迎えようとしている。
俺は慌てて、家の中に入り再びシャワーを浴び、軽く飯を済ませ、二階へと上がり再びナーヴギアをかぶる。

ベッドに横になり体の力を抜く。
息を整える。

(俺たちのSAOを終わらせるんだ。アスナを........,!!)

アスナを取り戻すため、俺は再び仮想世界へとダイブする。

「リンクスタート!!」




アルヴヘイム・アルンの宿舎のある一室で目を覚ます。まだ、二人はログインしておらず一人ベットの上に座り込む。

「はぁ〜」

思わずため息が洩れ、俯いていると誰かがログインしてくる。

「.......リーファ」

声のした方にいたのは、黒衣のコートに巨大な剣を背負うキリトくんが。

「どうしたの........リーファ?」

「あのね、キリトくん......。あたし.......あたし、失恋しちゃった」

頑張って笑おうとするも両眼からは大粒の涙が溢れ出てき、止めることが出来ない。

キリトくんは、何も言わずにそっと私を見る。

「ご......ごめんね、会ったばかりの人に変なこと言っちゃって。ルール違反だよね、リアルの問題をこっちに持ち込むのは.....」

笑みを無理やり作ったまま、涙を抑えようとするが収まらない。

「向こうでも、こっちでも、辛いときは泣いていいさ。ゲームだから感情を出しちゃいけないなんて決まりはないよ」

キリトくんは隣に座り、2度、3度、頭を撫でる。

「キリトくん..........」

私は、隣に座るキリトくんに胸を預け泣く。

(あたしはお兄ちゃんが好き。........でも、この気持ちは口にしちゃいけない。胸のずっと深いところに埋めなければいけない。...........いつか、忘れられるように)

「........もう大丈夫。ありがとう、キリトくん。優しいね、キミ」

涙が止まるまで泣き、いつものような笑顔を浮かべる。

「その反対のことはずいぶん言われたけどな」

キリトくんは照れたように頭を掻く。

「.......今日は落ちる?俺も、シュウも、もう大丈夫だと思うし......」

「ううん、ここまで来たんだもん、最後まで付き合うよ」

少し勢いよくベッドから跳ね起き立ち上がる。するとここで、シュウくんがログインしてくる。

「シュウくんも来たし。ーーさ、行こ!」

右手を差し出し、その手をキリトくんが取る。

「なんか、あったのか?」

「なんでもないよっ!」

立ち上がり、何かを思い出したように上空を見回す。

「ユイ、いるか?」

するとキラキラと光、ユイちゃんが大あくびをしながら現れる。

「ふわぁ〜〜〜.......。......おはようございます、パパ、リーファさん、シュウさん」

「おはよう、ユイちゃん。......あのね、昨日から気になってたんだけど.......その、ナビピクシーも夜は眠るの?」

「まさか、でも、パパがいない間は入力欄経路を遮断して蓄積データの整理をしてますから、人間の睡眠に近い行為はしてますが」

「でも、いま、あくびを......」

「人間って、起動シークエンス中はああいうことするじゃないですか。パパなんて、平均8秒くらい.......」

「妙なこと言わなくてよろしい.....」

キリトくんがユイを突こうとするがユイは逃げる。

「まあ、キリトはどこでも寝てばっかりだったからな.......」

「お前が言えることじゃないだろ、シュウ」

「さて、行こうぜ!」

「うん!」

「おう!」




アルヴヘイムの中央都市・アルンは賑やかで多種族がいろいろと街を覆い尽くしそうなくらいいる。

「うわぁ........」

マジかで見る世界樹は想像以上の大きさだった。遠くから見ても大きことはわかっていたが、近くでみるとまた迫力が違う。

「........これが......世界樹.......」

「でかいな........」

「うん......。こうして近くで見ると、すごいね......」

「えーと確か、あの樹の上にも街があって、そこに......」

「妖精王オベイロンと光の妖精、アルフが住んでいて王に最初に謁見出来た所属はアルフに転生出来るって言われてるわ」

「あの樹は、外側から登れないのか?」

キリトくんが疑問を口にする。

「幹の周囲は侵入禁止エリアになってて、木登りは無理みたいね。飛んでいこうとしても、とても上まで行けないうちに、翅に限界が来ちゃうらしいよ」

「何人も肩車して限界を突破した連中がいるって話を聞いたんだけど.......」

「ああ、あの話ね」

くすりと笑って話を続ける。

「枝までもうちょっと、ってとこまで迫ったらしいけどね。GMも慌てたみたいで、すぐに修正が入っちゃったの。今は、雲の少し上に障壁が設定されてるんだって」

「........なるほど.......。とりあえず、根元まで行ってみよう」

「ん。りょーかい」

私たちは、世界樹の根元へと目指す。

「あのゲートを潜ると世界の中心、アルン中央市街だよ」

三人揃って、そのゲートを潜るとキリト君のポケットからユイちゃんが慌てたように姿を現す。

「お、おい.......どうしたんだ?」

ユイちゃんは、世界樹の上を見上げ、数秒後口を開く。

「ママ.......ママがいます」

「な..........」

ユイちゃんの言葉を聞くとキリトくんとシュウくんも上を見上げ顔を強張らせる。

「本当か!?」

「間違いありません!このプレーヤーIDは、ママのものです.......座標はまっすぐこの上空です!」

キリトくんは、急にクリアグレーの翅を広げ上空へと急上昇した。

「キリトくん!!?」

「待てよ、キリト!!」

それを追うようにシュウくんも漆黒の翅を広げ上空へと急上昇する。

「キリトくん!!シュウくん!!」
 
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