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オズのヘンリーおじさん

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第十幕その五

「星もお月様もそうして食べて飲むなんて」
「お空を飛ぶ列車の中からね」
「最高だよ」
「そうよね、こうした楽しみもね」
「旅行では味わえるんだね」
「そうよ、だからこれからもね」 
 今回だけでなくというのです。
「旅行してね」
「ドロシーみたいにだね」
「そう、お仕事とね」
 そちらを楽しむと共にというのです。
「それとよ」
「旅行も楽しむ」
「他の趣味もね。趣味が多いと」
 それならというのです。
「その分楽しみが増えるのよ」
「だからか」
「私達はなのね」
「これからもね」 
 是非にというのです。
「楽しんでね」
「ドロシーを見ていると」
「そうね」 
 またお二人でお話しました、海鮮丼を食べてお酒も飲みながら。
「いつも旅行や冒険をしてね」
「楽しんでいるしね」
「カンサスにいた時よりもずっと」
「カンサスにた時よりも明るいしな」
「あの時も充分明るかったけれど」
「今はさらにだしな」
「それなら」
 おじさんはお吸いものの中の浅利を食べて言いました。
「わし等も仕事以外にも」
「そうよね」
「何かとな」
「趣味を見付けてね」
「楽しむか」
「そうしましょう」
 こうしたお話もします、そしてです。
 そのうえで、です。二人は海鮮丼を一杯食べますと。
「もうな」
「お腹一杯ね」
「お吸いものも飲んで」
「そうしたらね」
「お腹一杯だよ」
「満足したわね」
「いえ、まだあるのよ」
 ドロシーは満足しているお二人に笑顔で言いました。
「景色も楽しむだけじゃなくて」
「さらにか」
「まだあるの」
「お酒飲んでるなら」
 それならというのです。
「おつまみが必要でしょ」
「しかしもうお腹一杯だよ」
 おじさんはドロシーに苦笑いで答えました。
「わしも」
「そうなの」
「だからな」
 それでというのです。
「食べる方はな」
「いいの。けれどね」
「それでもかい」
「お豆腐ならいけるでしょ」
「お豆腐か」
「お豆腐は物凄くあっさりして食べやすくて」
 そうしてというのです。
「お酒にも合うわね」
「確かに。お豆腐なら」
「まだ食べられるわ」
 おじさんだけでなくおばさんも言います。 
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