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神々の塔

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第六十三話 過ちを犯した神霊その十三

「その過ちを乗り越えてだ」
「大事を為すことですね」
「私がそれが出来たなら嬉しい」
 ここでまた自分のことを話した。
「それならな」
「はい、出来てます」
「そうか、だがな」
 それでもと言うのだった。
「私の様にはな」
「なるな、ですか」
「絶対にな」
 悔やむ顔で言うのだった。
「偏見を持ち」
「権力で以てですか」
「誰かを虐げることはな」
 それはというのだ。
「何があってもだ」
「したらあきませんですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「それはな」
「絶対にですね」
「してはならない、偏見は持ってしまってもだ」
「それを消す様にして」
「学んでな、偏見は学ぶとだ」
 そうすればというのだ。
「自然とだ」
「真実を知って」
「消える、そしてだ」
「権力を以てですね」
「その偏見に基づいてな」
 そうしてというのだ。
「誰かを虐げることはな」
「やったらあきませんね」
「人の行いで最も醜悪なものの一つだ」 
 ウォーレンは言い切った。
「後に残るのは何か」
「汚名ですか」
「これだけ災厄をもたらしてだ」
 そうしてというのだ。
「行った者の評価を下げるものはない」
「そのことをですね」
「私は身を以て知ったのだからな」
「起きた世界において」
「君達に言う、私の様にはな」
「なったらあかん」
「そう言う、そのことを肝に銘じてだ」  
 そうしてというのだ。
「行くのだ、いいな」
「はい、それでは」
「先に行くのだ」
 こう言ってだった。
 ウォーレン達は一行を上に行かせた、この階でのこともまた彼等にとって大きな糧となった。それを政の場であらためてわかったそれは後の話である。


第六十三話   完


                   2024・2・23 
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