神々の塔
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第六十三話 過ちを犯した神霊その十
「容赦なくや」
「処刑してええわ」
「そや、死刑にならんでもな」
「強制労働させたり」
「懲罰部隊に入れてや」
「使い潰してもええね」
「そや、それで食べるもんもな」
こちらもというのだ。
「残飯で充分やし」
「それもないならご飯抜き」
「着るもんも適当なもんでいいし」
シェリルは強い声で話した。
「牢獄もや」
「粗末でええね」
「兎に角凶悪犯の人権は考えん」
全くというのだ。
「それでや」
「ほんまに構わへんね」
「そや」
まさにというのだ。
「それが十星連合のやり方で」
「これからもそうしていこね」
「むしろ社会のダニを再利用してるんや」
「消耗品として」
「善行と言えるわ」
「死刑にするにしてもショーになるし」
「見せものになるしな」
十星連合では死刑はそうなっている、その為出来るだけ惨たらしく時間をかけて処刑し魂も消し去っているのだ。
「ええわ」
「そういうことやね」
こうした話もしてだった。
一行は食事と一泊の後でだった。
神霊達との戦に入った、すると眼鏡をかけて姿勢のいい見るからに知性を品性を讃えたスーツと裁判官のマントを羽織った人物がそにいてだ。
彼を見てだ、トウェインは言った。
「アール=ウォーレンさんですね」
「如何にも」
神霊はその通りだと答えた。
「私がアール=ウォーレンだ」
「そうですね」
「起きた世界での私のことは知っているな」
「はい」
トウェインは確かな声で答えた。
「わいも」
「そうだな、私がその世界で恥ずべきことをしたことは事実だ」
「そやけどその後で」
「公民権運動の時にか」
「多大な貢献をしたこともです」
このこともというのだ。
「事実ですね」
「功罪共にありということか」
「どっちが大きいかは判断の分かれるとこです」
「その人によってか」
「そやけど貴方がです」
ウォーレン自身に言うのだった。
「多くのアフリカ系の未来を切り開いたことはです」
「事実か」
「法律家の立場から」
「いつも私達が言っている通りだよ」
「そうだ」
キング牧師とマルコムエックスも言ってきた。
「貴方は多大な貢献をしてくれた」
「私達の頼りになる同志だ」
「若し貴方がいなければ」
「私達だけであそこまで出来たかどうか」
「そうであればいいが私は罪を犯した」
綾乃達を見て話した。
「日系人ではないが日本人もいるから思う」
「尚更ですか」
「あの時の私に人種的偏見があったことは事実だ」
俯いて言うのだった。
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