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神々の塔

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第六十三話 過ちを犯した神霊その八

「羊の脛肉がや」
「好きやったか」
「大好物やったらしい」
「そやってんな」
「それでそのデザートもや」
「好きやったか」
「そうでな、ただカロリー高いやろ」
 そのデザートを見て言うのだった。
「そやから油断したらな」
「太るな」
「マルコムさんはよお歩いて」 
 毎日そうして活動していたという。
「体重管理してたからな」
「太らんかったか」
「そやったわ」
「如何にもカロリー高いもん食うてもやな」
「ああ、痩せてたんや」
「食ったらその分動く」
「そうすることもな」 
 絶対にという言葉だった。
「忘れたらあかん」
「そやな」
「ああ、ただわい等はな」
「むしろやな」
「こうしたもんも食ってな」 
 そのデザートもというのだ。
「それでや」
「そのうえでやな」
「カロリーをよおさん摂ることや」
「そうすべきやな」
「戦は言うなら滅茶苦茶激しい運動や」
 トウェインはメルヴィルにこうも話した。
「それは言うまでもないな」
「ああ、命を賭けたな」
「それだけにや」
「カロリーは必要やな」
「普通の人よりもや」
「尚更必要やな」
「よおさん食って」
 そうしてというのだ。
「カロリーもな」
「摂ってやな」
「戦うことや、そやからな」
「わし等もやな」
「デザートも食うんや」
 マルコムエックスが好きだったそれもというのだ。
「滅茶苦茶甘くてや」
「滅茶苦茶カロリーあるな」
「それも食うんや」
「そやね、それでそれは戦の時はうち等だけやなくて」 
 綾乃は笑って話した。
「全軍が食べんとね」
「あかんわ。ただ」
 シェリルは綾乃に応えて話した。
「懲罰部隊は別や」
「犯罪者で構成してるあれやね」
 十星連合では重罪人現行犯で悪質な犯罪を行った者達が送られる、死刑や強制労働と並ぶ連合の凶悪犯への処罰である。
「まあ犯罪者やし」
「カロリーなんてや」
「必要ないね」
「犯罪者はどんどん苦しめるべきや」
 シェリルはそれが当然だと言い切った。
「人の人権害した連中や」
「それやとね」
「もう何の容赦もなくな」
「粗末に扱ってええね」
「後ろに武器持った正規軍置いて」
 これを督戦隊という、犯罪者達が退こうものなら容赦なく切り捨てるか撃ち殺す部隊であり起きた世界では二次大戦時のソ連軍にあった。
「それでや」
「地雷原でも最前線でも突撃させて」
「人間の盾にしたりしてな」
「消耗品として扱うんやね」
「そや、犯罪者やしな」
「食べるもんも適当でええね」
「ゴミに捨てた残飯食わせて」
 連合軍では懲罰部隊には実際にそうした食事を与えている、死刑囚や強制労働の収容所でも同じである。 
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