夏休みの宿題
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第三章
「それでその授業してる奥さんがブロンド美人っていう」
「その娘か」
「どんな娘だよ」
「幼女趣味になったか?」
「そんな筈ないだろ、将来どんな女子高生になるか気になってな」
「今の時点を見たいか」
「ああ、どんなのだよ」
こう中島に言うのだった。
「一体な」
「こうした娘だよ」
冷静な顔で答えてだった。
中島は紅林にその生徒の画像を自分のスマホで見せた、そこには波打つ長いブロンドの髪に黒い目のアジア系とヨーロッパ系が程よく混ざったハーフの美少女がいた。紅林はその少女の笑顔の画像を観て言った。
「このままいったらな」
「女子高生になったらか」
「凄い美少女になってるな」
「今は美少女じゃないんだな」
「幼女だろ、だから幼女はな」
「お前守備範囲じゃないか」
「お前と同じだよ」
そこはというのだ。
「だからな」
「それでか」
「ああ、別にな」
これといってというのだ。
「今の時点じゃな」
「どうでもいいか」
「子供はな、それで夏休みはお前も稼げたか」
「ああ、かなりな」
中島は微笑んで答えた。
「授業かなり引き受けてたしな」
「それはよかったな」
「他の子、男の子も含めてな」
「男の子も受けてたんだな」
「半々でな、どの子も真面目でしっかり勉強してたしな」
「それでか」
「ああ、いい感じでな」
それでというのだ。
「授業出来たよ」
「それは何よりだったな」
「本当にな」
紅林に笑顔のまま応えた、そうしてだった。
彼にだ、あらためて言った。
「いい子達ばかり生徒でしかも稼げてな」
「平和にか」
「俺は幸せな、夏休みの宿題もな」
「皆無事に終えてか」
「よかった、俺が出した課題もな」
「皆か」
「やってくれたしな」
このこともあってというのだ。
「本当にな」
「よかったんだな」
「ああ、いい夏休みだったよ」
こう言ってだった。
二人は共に昼食を食べた、夏休みの時の話をしながらのそれは実に美味かった。
夏休みの宿題 完
2023・10・15
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